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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員8名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は、2ヶ月に一度第4日曜午前5:40から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第562回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2024年3月29日(金)15:00~17:00
審議テーマ
弁当屋さんのおもてなし シーズン2
(2024年1月13日~2月3日(毎週土曜日:全4回)放送)
出席委員
岡田美弥子 | 委員長 |
桜木紫乃 | 副委員長 |
及川華恵 | 委員(レポート参加) |
鍋島芳弘 | 委員 |
田村ジャニーン | 委員 |
樋口 太 | 委員 |
横田伸一 | 委員 |
清水友陽 | 委員 |
会社側出席者
代表取締役社長 | 寺内達郎 |
取締役 | 佐古浩敏 |
報道情報局長 | 伊藤伸太郎 |
編成局長 | 戸島龍太郎 |
演出・編集 | 平尾由佳子 |
番組担当プロデューサー | 星 悠平 |
番組審議会事務局 | 吉田みどり |
【審議対象番組についての委員意見要旨】
≪評価点≫
・全体を通して安心して見られ、自身のことに重ね合わせて振り返るきっかけを与えてくれた。シーズン2は、夏から秋への良い季節で、ストーリーの展開と北海道の食材、その歴史の語りのバランスがとれていたように思う。
・千春とユウの距離感の変化が良いと感じた。それは、直接的な言葉のやりとりではなく、それ以外の部分でこちらに伝わるものがあったからだと思う。
・千春とユウの関係に毎回もどかしさを感じていたが、最終話で互いに真っすぐ思いを伝えるシーンは、温かい気持ちになった。そして、毎回「くま弁」のマスコットキャラクター「くんた」が突っ込みを入れてくれたので、くんたと一緒にドラマを観ているような気分になり楽しかった。
・悩みを抱えた人とともに悩み、思いを込めた弁当で癒やすことを通じて、千春とユウの仲が少しずつ進展していく。千春が夏祭りに誘う場面、公園でデートの場面など二人が初々しくて、悩み解消の手伝いができた喜びも伝わり、心地よく視聴を終えることができた。
・「ひとりでは生きられない」「強くない」人間が、誰かに支えられ、助けられて、前を向いて生きていけるという作品のメッセージがストレートに伝わってきた。
・地元出身やゆかりのある俳優・アーティストをバランスよく起用し、北海道のおいしい食べ物を映像、効果音を巧みに使って美味しそうに伝え、道外の方にも見てもらいたい、胸を張りたくなるドラマになっていた。
・「くま弁」の建物の模型が効果的だと感じた。この場面があるおかげで、作品を俯瞰することができた。味の異なるエピソードがひとつひとつ飛び出てくる、お弁当箱みたいな役割。この作品にぴたりとあっていた。
・厚岸のカキは夏でも生で食べられること、北海道の米がおいしくなった歴史、道産じゃがいもに様々な品種があること、肉じゃがの肉は豚が一般的なことなど、北海道の食材や料理の特徴が丁寧に説明されていてよかった。
・挫折と再生は誰もが経験することだが、それを北海道という土地のどこにでもありそうな結末に持っていったところに大変好感を持った。ドラマだからこそ描ける日常があると、改めて感じた。
・脚本も良かったが、俳優も良かった。25分で1話だが、涙の場面を不自然にしない演技も素晴らしかった。全ての話を一気に見ると構成の巧みさが見えるのは、作り手の繊細な手さばきあればこそだったと思う。
・細かいところへのこだわりが良かった。千春の部屋は全体的に生活感が薄い印象だったが、冷蔵庫に貼られた札幌市のゴミカレンダーにスタッフのこだわりが感じられた。
≪要望点・改善点≫
・30分弱で1話のエピソードを完結させなければならないために、各話のゲストの生き方や悩みを、言葉で説明するシーンが多くなってしまった。もう少し、それぞれの人物の奥行きを見てみたかった。
・第1話、川岸での千春と将平のシーン、川の流れと車の通行だろうか周囲の音が気になり、会話が聞き取りにくかった。
・最終話の冒頭で、千春が自宅の鍵をかけ忘れたかも、誰かが侵入したのか?というシーンがあったが、音楽や写真の連写などが、少し凝りすぎていたように感じた。
・最終話で、千春とユウが一緒に考案した新メニューの「おもてなし弁当」が、最後のシーンのメニューに載っていなくて残念だった。
・第2話に登場する若菜の生活基盤の説明が欲しかった。他の回の登場人物は、祖父や父がカキ漁師、弁護士事務所のアルバイトなど一定の情報があったので、何らかの示唆があればよかった。
≪提言≫
・北海道発のドラマをこれからも制作し続けてほしい。地域ならではのエピソードを描くことにより、地元に暮らす私たちが、地元の魅力を再発見するきっかけになることを、今回の作品を通して強く感じた。
次回の放送番組審議会は2024年4月30日(火)開催予定です。