北海道テレビ:HTB online 医TV

2018年05月28日17時38分

著者名:HTB医pedia編集部

~変形性股関節症~

  

<今回のテーマ>

今回は、股関節の病気、変形性股関節症を取り上げます。
この変形性股関節症、患者さんの80%が女性と、女性に非常に多い病気です。
今回は、これまでに2000件もの人工股関節の手術を行ってきた、人工股関節のエキスパート、久木田隆先生を取材しました。

<変形性股関節症の症状とは?>

■久木田先生
「股関節が疲れてくると、なんとなく前側を叩きたくなったり、長時間座った状態で、急に動き出すときに、なんとなく違和感を感じるというのが、最初の症状です。」

■国井アナウンサー
「先生、私気が付くと、ぽんぽんと太もものあたりを叩いているんですけど。」

■久木田先生
「それはよくない兆候ですね。最初の段階の臼蓋形成不全という状態かもしれません。調べてみませんか?レントゲン写真をとれば、だいたいのことがわかります。」

<国井アナウンサーは、変形股関節予備軍!?>

【レントゲン結果】

若干、股関節の臼蓋形成不全があるという国井アナ。
正常の場合は、大腿骨頭というものが、臼蓋をカバーしなければなりませんが、国井アナの場合は、少し足りないようです。
今のところ、手術は必要ないようですが、買い物をして極端に重いものを持つことや、股関節への負担が大きい運動を避けるといった配慮が必要です。

【なぜ、女性に多いのか?】
基本的には、先天性股関節脱臼というものが女性に非常に多いことで、年を重ねることによって、股関節の絶対的な条件が悪いために、変形性股関節症になるとされています。

<変形性股関節症の手術とは?>

【人工股関節】
軟骨がなくなってしまった場合、人工股関節と言われるものを手術に使用します。
最近の人工股関節は、約30年前のものと違い、1度手術をすれば、人工股関節の寿命は生涯もつということです。
手術時には、患者さんの骨頭にあうように、人工のカップをとりつけ、大腿骨に入れる芯棒とカップを合わせて、人工の股関節を作ってあげることで、痛みなく機能するようにします。
術後は入れっぱなしの状態でも違和感はなく、痛みなどの症状も消えていくようです。

<人工股関節の手術に密着!>

変形性股関節症に悩まされてきた、札幌在住の65歳の女性。
歩けない、体重がかけられないといった症状があり、今回、左足の股関節の手術を受けます。
人工関節を骨に埋め込み、関節に取り付けるという手術です。
手術の時間は平均して、およそ1時間半。
その後、1か月程度入院をし、リハビリをすれば、術後4か月くらいには日常生活が普通に出来るとのことです。
■手術を終えた久木田先生
「(女性は)痛くなく歩けるようになりますし、これからの残った人生、自由に生活が出来ると思います。現在、多くの人が人工股関節の恩恵を受けていると思います。」