北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年01月15日11時00分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「救急車が到着するまでの対応」

  

<今回のテーマ>

今回は「救急車が到着するまでの対応」についてです。全国的に119番通報から病院収容までの時間が顕著に遅延しているなかで、心肺停止の状態において1分間心肺蘇生を行わなければ約7~10%救命率が低下するとされています。現在119番通報から救急車の現場到着までは約8.5分であり、その間心肺蘇生を行わなければ救命率は0~5%と激減します。救急車到着までに傷病者の身近にいる(バイスタンダー)の対応すべき行動について国立病院機構水戸医療センターの安田貢救命救急センター長にお話しを伺いました。

<救命率を向上させるためには...>

1分間何もしない状況が続くと10%救命率が低下します。10分間何もしなければほぼその傷病者は救命率がゼロになると言われています。
それを改善する方法が、心肺蘇生法いわゆる胸骨圧迫、昔でいう心臓マッサージです。
救急隊が到着してからそれを行ったのでは、助かる確率が10%以下になってしまいます。
ですから迅速なバイスタンダーの応急手当とAEDの操作で救命率は7割にも8割にも高くなるということが期待できます。

<応急手当の効果>

種田克典さんは致死性不整脈で心肺停止の状態となりましたが、ご夫婦で受けた救命講習の経験から奥様が心臓マッサージを行い、一命を取り留めました。
「まず何をしたらいいかがわからない、倒れている人に対して手を出して良いものかどうかというのもきっとわからないと思うんですよね。でもたまたまそういう講習を受けていたのと、必死さもあってそういうことができたんだと思います。やっぱり実際にそういう講習でやってみるっていうのはすごい大事ですよね」と心臓マッサージで旦那様を救った奥様は話してくれました。

<救急医療に関する理解を高めるために...>

まずはそういうトレーニングを受けているかいないかで自信を持って処置が出来るかどうかに違いが出てくると思います。万が一自分の友人・同僚・家族がそういう危機的な状況になった時に対応できるような知識と技術を身につけることが非常に重要になってくると思います。
総務省消防庁では一般市民向けに応急手当WEB講習を行っています。また札幌市防災協会では救命ステップアップ講習も行っていますのでお問い合わせ下さい。

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