北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年11月20日15時00分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「歯周病」歯周病の原因と対策

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、日本人成人の約80%が罹患しているといわれ、日本人が歯を失う原因の第一位となっている「歯周病」について、その原因と対策を、北海道大学病院 歯周・歯内療法科講師の宮治裕史さんにお話を伺います。

<歯周病の原因>

「歯周病」は「歯周病菌」による感染症です。「歯周病」は、歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」といわれる溝(すき間)ができて、歯周ポケットにあるプラーク(歯垢・歯石)に「歯周病菌」が増殖することで発症します。

<歯周病の進行の経過>

「歯周病」は、歯周ポケットがあまり深くないときに、歯ぐきが腫れたり、少し触るだけで出血する「歯肉炎」という症状から、歯周ポケットが深くなることで、歯ぐきが痩せ、歯ぐきからうみが出たり、歯がぐらつき抜けてしまうような「歯周炎」という症状に進行していきます。

<歯周病菌が全身に広がると>

「歯周病菌」が歯周ポケットにあるときに、「歯周病菌」そのものが歯ぐきに侵入すると血液にのって全身に広がります。「歯周病菌」が血液に侵入すると、血管そのものに影響を来しますので、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の発症を招き、すい臓のインスリンの働きにも影響することがありますので糖尿病の発症や、その症状の悪化を招くこともあります。また、「歯周病菌」の全身への広がりは、認知症や誤嚥性肺炎、早産による低体重児出産に繋がることもあります。

<歯周病の対策>

「歯周病」の予防は、口の中の「歯周病菌」のすみかとなるプラーク(歯垢・歯石)を除去することが重要です。そのためには「歯周病」に対し薬理効果のある歯磨き粉などを使用した正しいブラッシングを習慣化させると共に、(歯垢は正しい歯磨きで除去できますが)歯石の除去は、歯科でのクリーニングが必要となりますので、定期的な歯科での診療を受けることが大切です。

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