北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年12月16日17時54分

著者名:HTB医pedia編集部

高齢者が注意すべき感染症③帯状疱疹

  

<今回のテーマ>

「医TV」は前々回より3回にわたって、これからの季節に高齢者が注意すべき感染症について紹介しています。最終回となる今回は「帯状疱疹」の原因と予防について、札幌市保健所 感染症担当部長の山口亮さんにお話を伺います。

<帯状疱疹の原因とは>

「帯状疱疹」は、水痘・帯状疱疹ウイルスによるものですが、大体の方が子供のころに、「水ぼうそう」という形で発症しますので、日本人の約90%の方が水痘・帯状疱疹ウイルスの抗体を持っています。しかし、この水痘・帯状疱疹ウイルスによる「水ぼうそう」は一旦治るものですが、治ることでウイルスが体内から消失せずに、無症状で体内の神経節に潜伏し、高齢になって免疫力が低下したときにウイルスが覚醒して、「帯状疱疹」を発症するということがあります。「帯状疱疹」は50歳以上になると増加し始め、80歳までには約3人に1人が発症するといわれています。

<帯状疱疹の症状とは>

「帯状疱疹」の症状は3~4週間程度継続し、最初はチクチク、ピリピリといった神経の痛みを感じ、その後、発疹や水ぶくれが起こり、痛みは更に強くなっていきます。「帯状疱疹」が発症する部位は、神経節に沿って、体の片側で起こりますが、発疹や水疱が治っても「帯状疱疹後神経痛」という痛みが約2~3割の方に起こり、日常生活に大きな影響を与えるケースもあります。

<高齢者の帯状疱疹を予防するためには>

前述の水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜伏している間に、子供向けの水ぼうそうを予防するワクチンを高齢者に接種すると「帯状疱疹」の発症を予防することができます。このワクチンの接種は任意となりますが、50歳以上でご希望される方であれば、医療機関で受診し接種することができます。
※多くの医療機関が予約接種となっていますので、事前にご確認ください。また、任意接種のため、接種費用は医療機関によって異なりますので、お近くの医療機関にお問合せください。

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