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2021年02月19日17時56分

著者名:HTB医pedia編集部

【医療のミカタ】ひざの痛みと治療法 早めに整形外科の受診を!

  

<今回のテーマ>

寒くなると増える膝の痛み。痛みの原因は病気かもしれません。
今回は、軟骨がすり減って減少し、骨と骨がぶつかって痛みを引き起こす「変形性膝関節症」について札幌市西区の八木整形外科病院 院長 八木知徳先生にお話をお伺いしました。

<膝の痛み>

札幌市西区にお住いの,旅行が趣味の矢野美恵子さんは65歳頃から膝の痛みに悩んでいたそうです。
矢野さん:近くに買い物に行くときも途中で休み休みでないと歩けない状態だったんですよね。最初は右膝が痛かったんですけど、そのうち、どうしても右ひざをかばうようになり、左膝も痛くなってしまいました。

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<変形性膝関節症とは>

両膝の痛みに悩んだ矢野さんは、八木整形外科病院で診察を受けました。
診断は「変形性膝関節症」でした。患者の8割が女性といわれています。

八木先生:人間の関節には軟骨というものがかぶさっています。この軟骨が滑ることでうまく関節が曲がるようになっています。ところが加齢とともに軟骨がすり減ってきます。すり減ってしまうと骨と骨が直接ぶつかり痛みを引き起こします。
これが変形性膝関節症で、症状が末期まで進むと自力で歩けなくなることもある深刻な病気です。
軟骨は若い年代ですと再生しますが、ある一定の年齢、50歳位を過ぎるようになるともう再生しなくなってしまいます。

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<変形性膝関節症の治療法は>

初期の治療法としては、薬で痛みを抑えたり、運動で膝の回りに筋肉をつけるリハビリをしたりします。さらに症状が進むと内視鏡で見ながら軟骨を修復する手術などの治療法があります。
八木先生が矢野さんに行ったのは人工の膝関節を両脚に入れる手術です。八木先生はこれまでに3000例の人工関節手術を経験したエキスパートです。

八木先生:人工関節は大腿骨と頸骨がバイタリウムという合金、その金属と金属の間の軟骨部分が強化プラスチックでできています。自然の膝の動きに似た曲がり方をすることができますし、歩くときの自由に曲がる非常にスムースな動きを再現することができます。

人工関節は20年以上の寿命があるとされていて、日本国内では年間8万件もの手術が行われているそうです。

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<人工関節手術を受けて>

矢野さん:手術前は(手術を受けることが)怖かったです。手術後は痛みからも解放され、普通に歩けるようになりました。

八木整形外科病院では、手術を経験した患者さんの会を作っていて、花見などの行事に医師も参加して術後の経過をみているということです。
膝の痛みがあったら、一人で悩まずに整形外科を受診してみてください。