北海道テレビ:HTB online 医TV

2018年11月19日15時08分

著者名:HTB医pedia編集部

~「漢方治療」 風邪と葛根湯の作用について~

  

<今回のテーマ>
「かぜと葛根湯の作用」にスポットをあてます。
風邪はウイルス感染症であり、冬の季節は空気が乾燥することでウイルスの感染が広がりやすくなります。風邪ウイルスの感染メカニズムと共に、葛根湯の生薬の成分や効能とともに、効果的な服薬について福岡県の工藤内科、工藤孝文副院長にお話を伺いました。


< 西洋医学と東洋医学の違い>
西洋医学は、循環器や消化器など臓器器官別に分けられていて、採血検査や画像検査をして細菌やウイルスなどが原因であれば抗生物質などの化学薬品を投与します。
一方東洋医学は、病気というものが身体本来のもつバランスの崩れから来ていると考えるので、人間が本来持っている力それを自然界の中にある生薬で治療するというイメージになります。
「心身一如」という言葉のように身体と心をセットにして治療できる漢方薬は人間の本来の回復力を助けてくれるだけではなく病気の予防にもつながると考えているので、それぞれ併用すると非常に有用だと思います。


<葛根湯とは...>
今日紹介する「葛根湯」は、中国の古典医学書に記載されている風邪薬で7種類の生薬が配合された漢方薬です。


<風邪の発症メカニズム>
風邪のウイルスは、通常体の中に入っても免疫細胞の働きで撃退されますが、免疫機能が落ちてくると体内で喉の痛みなどの炎症が広がっていきます。そして発熱を起こすことによってメイン機能を活発化してウイルスを撃退するというのが風邪のシステムです。


<風邪に対する葛根湯の作用とは...>
初期の段階で葛根湯を飲むと直接交感神経に働きかけて体温を上昇させてくれるので、身体の免疫機能も上げ、さらにウイルスの退治にもつながります。そしてその後発汗作用を促して解熱作用プラス体力の消耗を抑える作用もあります。

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