北海道テレビ:HTB online 医TV

2020年02月27日12時22分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「ロコモティブシンドローム」

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、介護などが必要となる原因の第1位である「ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)」について、広島大学病院整形外科教授 安達伸生さんにお話を伺います。

<ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは>

「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」とは、日本語では「運動器症候群」と呼ばれるもので、近来、著しく高齢化が進むなかで、2007年に「日本整形外科学会」が、運動器の健康の大切さを啓蒙・啓発するために、ロコモティブ(運動器)とシンドローム(症候群)を組み合わせた言葉として、「ロコモティブシンドローム」と命名しました。
「運動器」とは、骨、関節、筋肉など、体を動かす様々な組織や臓器のことを指します。「ロコモティブシンドローム」は、それら「運動器」の障害によって、歩行や日常生活に支障を来し、社会活動まで制限される状態を指しており、放っておくと要支援、要介護となるリスクもあります。2016年の厚生労働省による調査によりますと、65歳以上の方で要支援、要介護となった原因の第1位が運動器疾患による「ロコモティブシンドローム」という結果が出ています。

<ロコモティブシンドローム(ロコモ)の原因>

「ロコモティブシンドローム」になる原因は大きく分けて二つあります。一つは加齢による筋力・バランス・持久力の低下などによる転倒や骨折によるもので、もう一つは、「変形性膝関節症」や「変形性脊椎症」などによる歩行障害、また、骨粗鬆症による骨折などの運動器の疾患によるものです。これらいずれかの原因による運動器の障害が移動機能を低下させることで、「ロコモティブシンドローム」となってしまいます。

<ロコモティブシンドローム(ロコモ)のセルフチェック>

「日本整形外科学会」では、患者さん自身が「ロコモティブシンドローム」を自覚するように、同学会の「ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト」で、」「ロコチェック」、「ロコモ度テスト」というセルフチェックが行えるサイトを展開しています。

<ロコモティブシンドローム(ロコモ)と診断・判定された場合には>

「ロコモティブシンドローム」と診断・判断されても日常生活の改善や運動の習慣化によって改善することが可能です。また、運動器の機能が維持され、動けることは、「生活習慣病」や「認知症」の予防・改善にもつながります。「ロコモティブシンドローム」は簡単な運動でも習慣化すれば、予防できるものです。「日本整形外科学会」の「ロコモティブシンドローム予防啓発サイト」では、その運動の仕方なども紹介していますので、是非ご参考にしてください。
https://locomo-joa.jp/

取材協力:
広島大学病院
広島市南区霞1-2-3
TEL:082-257-5555 (代表)
https://www.hiroshima-u.ac.jp/hosp

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