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4月30日(金) 遠藤雅也
6歳のころ、一度だけ犬を飼ったことがあります。ご近所でポインターの子犬がたくさん産まれたので、いただいたものです。ちゃんと世話をすると言っていたのに、面倒だからと親まかせ。散歩にもろくに連れて行かないバカ飼い主でした。あまりに不憫に思った親が、心ある人に犬を譲りました。わずか数ヶ月一緒にいただけでしたが、犬にとっては私が飼うより幸せだったでしょう。犬との想い出は数枚の写真が語るだけですが、後悔とせつなさが今も残ります。
ところで、私はその犬をきちんと登録していたのでしょうか。予防接種を受けさせていたのでしょうか。あいまいな記憶しかありません。最近のペットブームで安直な気持ちで犬を飼う人が増えているせいか、厚生労働省の調べでは、狂犬病の予防接種を受けさせている飼い主が半数を切ったようです。狂犬病は犬をはじめ人間などすべての哺乳類に感染する可能性があり、発症すれば致死率は100%です。非常に怖い病気です。取材を重ねると、「狂犬病の予防接種を受けなくても大丈夫。感染しないよ。」なんて言う獣医さんも実際に存在するようですが、専門家によると「狂犬病は日本では1958年以降確認されていないが、世界的にみると発症していない国のほうが少ない。いつ発症してもおかしくないし、いったん狂犬病が確認されれば、BSEや鳥インフルエンザを超える社会パニックが発生する可能性がある。」とのことです。つまり、「今まで大丈夫だから、これからも大丈夫」というのは単なる油断であって、危機はすぐそこにあるのかもしれません。きちんと考えましょう。 |