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9月6日(月) 中添眞(報道デスク)
鉄道少年でした。今も鉄路好きは変わりません。鉄道で行くことが出来る所なら、車よりレールを取るくちです。ニュース・ワンポイントで危機に立つ札幌の路面電車を取り上げました。市は存続の道を探っていますが、改めて市民に「存続の是非」を問うています。再生をさせるには100億円近い投資が必要で、市民の理解なくしての支出は難しいと見てのことでしょう。
広島や熊本などで脚光を浴びている、LRTと呼ばれる最新の路面電車は、かつての「チンチン電車」のイメージとはかけ離れたものです。スピード、設備とも、まるで札幌の地下鉄が地上を走っているのと同様です。札幌市がはじく路面電車の建設費は、キロ当たり20億円。比べて地下鉄は、その10倍はかかります。将来、路面電車が、新しい札幌の交通ネットワークを担ってもおかしくは無いのです。郷愁や経済原則だけで、存廃を決める時代ではなくなっています。現在の路線があれば、その技術を基礎に新たな路線を発展させることは可能です。しかしゼロから作り直すためには、大変な資金と努力が必要でしょう。町のスケールに適した路線を作ることが出来るだけに、道内の他の都市でも可能性はあります。かつての「チンチン電車」は可能性を秘めた、新しい乗り物なのです。 |