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12月3日(金) 中添眞(報道デスク)
日本に研修に訪れているロシアの若手リーダー達20人と話をする機会がありました。グループは、サハリンやウラジオストクなど、極東のテレビ局や広告代理店、旅行業などの幹部や経営者などですが、中には20代で会社を興した起業家もいます。こちらに与えられたテーマは「日本人のロシア観」北方領土、マフィア、テロなどネガティブな話がつきません。中国のように「政冷経熱」に達することも出来ず、「政冷経冷」の日露間です。怒り出すのではないかと思えるくらいに、こちらからは厳しい話ばかりが続きました。それでも誰もが、熱心に耳を傾けてくれました。しかもこちらの話に、冷静に質問を投げかけ、意見を切り返してきます。日露間だけではなく、国際関係、日本の歴史、流行までよく勉強されています。物見遊山ではなく、日本に来てとことん勉強して行こうという気持ちが伝わります。
日本人が思い描くちょっと粗野で、お酒が好きで、といったロシア人のイメージとはかけ離れたスマートさです。彼らのスマートさから、大きく変化しているロシア社会を知ることが出来ます。領土に関心が傾きすぎている「日本人のロシア観」のほうが格段に遅れをとっていると言えそうです。
御互いが理解しあうためにはなんと行っても出会うことです。道州制で「査証の発給などについても地方の裁量を認めるべきだ」などの議論もあります。北海道と極東ロシアが共にビザを免除して、御互いの住人が、簡単に行き来できる状況を作り出せないでしょうか。 |