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2月7日(月) 中添眞(報道デスク)
7日は北方領土の日です。今年はプーチン大統領の来日が予定されています。返還への期待は、ゴルバチョフソビエト大統領、エリツィンロシア大統領と、リーダーが来日するたびに高まりました。しかし現実派のプーチン大統領に、進展を期待する声も湿りがちです。私が国後島に渡ったのは91年でした。当時はビザなし交流もなく、島のロシア人にとっても、日本は身近なものの、実際に日本人と話す機会は稀でした。「身近なものの・・」と書きましたが、これはほとんどの家庭が、既に日本のテレビを見ていたからです。ロシアのテレビは日本の放送とは方式が違って、ロシア製のテレビでは映りません。しかし訪ねたほとんどの家庭には、日本の放送が映る、もう一つのテレビセットがあって、北海道のテレビを観ていました。もちろんHTBもです。「人生楽ありゃ苦もあるさ・・」ある家庭では、少女がピアノで、聞き覚えのある時代劇のテーマ局を弾いてくれました。
4島は、復興に力の入った択捉島を除き、国後、色丹では、依然として厳しい暮らしが続いているようです。91年当時出合った島民は、かなりの人が島を離れたとも聞きました。ピアノの少女一家もウクライナへ帰りました。
プーチン大統領の来日には「大きな期待は寄せられない」との見方が先行していますが、2島先行返還論だけではなく、面積を等分することで決着が図られた、中露国境交渉を参考にする議論も聞こえました。水面下での動きに注目が集まっていると言えそうです。日露通好条約150年の今年、両国の首脳はどんな答えを出すのでしょう。 |