 |
10月17日(月) 安藤こず恵
子供の頃、この季節になると母は押入れから「腹巻き」を出してきて、着けて寝るようにと私に言いました。テストの前日などには必ずお腹をこわすという、胃腸の弱い子供だったのです。ですから、アルバムをめくると「パジャマの上からピンク色の腹巻きをして微笑む私(10歳)」みたいな写真が何枚か出てきます。ラクダ色のものではないだけまだマシですが、その姿はまさに「おやじガール」とでも言いましょうか…。写真を見る度に、「せめてパジャマの中に着けなさいよ!」と、幼い日の自分にツッコミをいれる私です。
いまだに「腹巻き」をダサいと思っていた私は、もうおばさんなのかもしれません。最近、若い女性の間で「腹巻き」が大流行しているのです。寝る時はもちろん、外出する時にも着用する女性が増えていて、「見せ腹巻き」(腰の辺りからチラリと見えてもオシャレな柄のもの)まで販売されているのだとか。確かに、デパートの下着売り場には、カラフルな腹巻きがいっぱい。かわいらしいものからちょっとカッコいいものまで、素材も柄も様々。決してもう若くはない三十路の私も、目を奪われてしまいました。こんなにオシャレになったのなら、「腹巻き」という呼び名はもう捨てて、「ウエストウォーマー」などのカッコいいネーミングを付けたらいいのにと思うのは私だけでしょうか。私たちの年代では、「腹巻き」というとどうしてもバカボンのパパや植木等さんの姿を思い浮かべてしまうものですから…。 |