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2月3日(金) 安藤こず恵
今日は、節分。子供の頃の私は、この日が大嫌いでした。だって、自宅に鬼がやって来るのですから!昔のアルバムをめくると、「鬼の面を付けた父に抱き上げられ、涙と鼻水でグシャグシャになった私(3歳)」の写真が貼られ、母の字で「ワ〜ン、怖いよ〜」なんて吹き出しが付けられています。物心がついてから、私はその写真を見る度に「子供の気も知らないで…」と、母に腹を立てたりしていました。確かに、鬼に抱かれて泣く子供の写真は、ちょっと笑える思い出になるのかもしれません。でも、その時抱かれている子供は、ものすごく恐ろしい思いをしているのです。「お面」なんてものを知らない子供は、「人間の体に鬼の顔が付いた恐ろしいものに連れて行かれてしまう…」と本気で思うのです。泣きじゃくる私を、笑いながら眺める母。さらに怖がらせようと、「ウォ〜!」と妙な奇声を上げる鬼役の父。さらに、その後は私が悪戯をする度に「悪い事したら鬼が来るよ」と脅されるのです。子供にとって、こんなに辛いイベントがあるでしょうか?
最近の子供達は、幸せです。「恵方巻き」という選択肢もあるのですから。「鬼が来るよりも、太巻き丸かぶりの方が楽しいに決まってる!」と、思ってました、去年の節分までは。一年前、初めて「恵方巻き」を食べました。家族みんなで恵方に向かい、太巻き一本を食べ切る!お喋りもせずに黙々と食べる、食べる、食べる…。あれ?これって、楽しい??怖い思いをしようとも、やはり「豆まき」の方がいい思い出になるような気がした、去年の節分でした。さて、今年はどうしようかな…。
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