 |
2月10日(金) 神田昭一
「立春」も過ぎ、暦の上では春となりましたが、まだまだ朝晩寒い北海道。
そんな道東から「御神渡り(おみわたり)」の便りが届きました。9日の放送で紹介しました、日本一と呼ばれる屈斜路湖の「御神渡り」。これは湖の氷が“盛り上がる現象”です。一体どうしてできるのか?
番組でもお伝えしましたが、湖の氷が夜冷え込むと縮んで、日中暖かくなると膨らむという性質によるものです。膨らんだ氷が押し合いに耐え切れなくなり、氷が盛り上がって「御神渡り」が出来るのです。
寒暖の差が大きくなるこの時季に現れるのですが、なぜ「御神渡り」と呼ばれるのか?
呼んで字の如く“神様が渡った跡”ということですが、この“神様”、長野県は諏訪湖にあります「諏訪大社」の神様のことです。諏訪湖では古くからこの現象がよく現れることが知られていました。
諏訪大社には諏訪湖をはさんで南に“男神”を祭る上社、北に“女神”を祭る下社があります。実はこの二人の神様は“夫婦”なのですが、離れ離れに暮らしていたのです。まあ、夜になると・・いろいろあるわけで、神様だってね・・、でも村人にバレないようにしないと・・。“男神さん”が凍った湖を渡って、“女神さん”に夜な夜な逢いに行っておりました。しかし、夜が明けてみると、湖の氷が盛り上がっているではありませんか。“神様の恋の道”恋路は村人にはバレバレです。これはお恥ずかしい・・・。
「御神渡り」ができると、神様が渡れるくらい氷が厚くなったと言われていたようですが、実際は「御神渡り」ができるようなところは氷の弱いところ、つまり割れやすいところなのです。「御神渡り」・・落ちるとはまる?恋の道。危険です。
思い込みには、くれぐれもご注意を!
|