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5月1日(月) 安藤こず恵
「お母さん、ありがとう」
街を歩いていると、至る所でこんなポスターを見かけます。そうか、今日から五月。今月の第二日曜日は「母の日」ですものね。
毎年この日が近づくと、「何か欲しいモノはない?」と母へ質問するのですが、答えはいつも同じ。「何もいらないから、そのお金で自分の欲しいものを買いなさい」と。照れているのか、遠慮しているのか…。そういえば、今年の母の誕生日は「ババシャツ」を贈りました。会う度に、「今年の冬は寒いねぇ」と連呼していたので。でも、一ヶ月後に実家に遊びに行くと、そのババシャツは箱に入ったまま。「もったいないから、よそ行きにしようと思って」と言う母。ババシャツって、どうせ見えなくなっちゃうんですけど…。無欲で貧乏性。そんな母が、私には不思議でなりませんでした。
そんな母親の謎を解明してくれたのが、少し前に読んだ、リリー・フランキーさんの「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」という本。リリーさんとオカンとオトンの家族の絆が、ユーモラスながら感動的に描かれた超話題作です。リリーさんのオカンと自分の母が頭の中で重なって、今さらながら、それが母の愛情なのだと気づかされました。今年の母の日には、とびっきりの「お母さんありがとう」を贈るつもりです。
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