北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年06月03日10時29分

著者名:HTB医pedia編集部

北広島おぎの眼科③「加齢黄斑変性」

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、「加齢黄斑変性」について、「北広島おぎの眼科」の院長・荻野哲男さんにお話を伺います。

<「加齢黄斑変性」とは>

「加齢黄斑変性」は、加齢などによって、眼内の網膜の中心にある「黄斑」が障害を受け、視力が低下する病気です。「網膜」は、眼の中に入ってきた光を刺激として受け取り、視神経に伝達する組織ですが、「加齢黄斑変性」は、その網膜の中心にある「黄斑」に、障害として脈絡膜新生血管(正常ではない、余分な血管)が形成されることで、「黄斑」を押し上げ、全体の輪郭までは見えても、視界の中心部だけ歪んで見えたり、暗く見えたりするような症状があらわれます。

<「加齢黄斑変性」の種類>

「加齢黄斑変性」の種類は、「萎縮型」と「しん出型(滲出型)」の二つが有ります。
「萎縮型」の場合は、相当な年月をかけて、ゆっくりと視力が低下していくので、経過観察を行うだけで構いませんが、「しん出型」の場合は、「黄斑」に脈絡膜新生血管が急激に増殖していくので、一刻も早い治療が必要となります。

<「加齢黄斑変性」の診断>

「加齢黄斑変性」の診断は、まず、蛍光眼底造影検査を行い、脈絡膜新生血管の状態を確認しますが、蛍光眼底造影検査だけですと、十分な確認が出来ないため、広角OCT(光干渉断層計)を使って、網膜を立体的に観察し、脈絡膜新生血管やしん出液の状態を確認します。

<「加齢黄斑変性」の治療>

「加齢黄斑変性」のうち、「しん出型」で活動性が高いと判断された場合、網膜の「黄斑」に形成された脈絡膜新生血管が障害を及ぼしているため、「抗VEGF(抗血管内皮増殖因子)薬」を、硝子体に直接注射する「硝子体注射」を行い、脈絡膜新生血管の増殖を抑えます。
※「VEGF」という因子は本来、血液の安定化させる役割をもち、通常でも眼内に存在していますが、「加齢黄斑変性」になると、より多く発現し、脈絡膜新生血管の発生を促してしまいます。この「VEGF」の働きを抑えるのが、「抗VEGF(抗血管内皮増殖因子)薬」になります。
※「北広島おぎの眼科」では、安全に治療を行うために、「硝子体注射」は手術室で実施します。2018年度では717件の実績が有ります)

<「加齢黄斑変性」への硝子体手術>

「北広島おぎの眼科」では、「加齢黄斑変性」によって硝子体出血や、網膜剥離まで認められた場合、出血部位からの血液の除去、網膜の修復を行う「硝子体手術」も行っています。

<「加齢黄斑変性」を早期に発見するために>

「加齢黄斑変性」以外でも、見え方が歪む、といった眼の病気はありますが、「加齢黄斑変性」の場合は、一刻も早い治療を行わないと、視力障害を残してしまいます。従って、普段から、片目ごとに中心部の歪みなどを調べる「アムスラー検査」を受けることが大切になります。
※「アムスラー検査」は簡単な検査ですが、実施には条件がありますので、眼科を受診し、ご相談ください。

<「北広島おぎの眼科」へのアクセス>

「北広島おぎの眼科」
北広島市北進町1丁目2-2 北広島ターミナルビル1階(JR北広島駅から徒歩1分)
TEL:011-370-1010
HP:http://www.oginoganka.com/

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