北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年07月25日11時31分

著者名:HTB医pedia編集部

夏に注意すべき皮膚の病気 ①虫刺症(虫刺され)

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、夏に注意すべき皮膚の病気として「虫刺症(虫刺され)」について、「やまはな皮ふ科クリニック」の院長 萩原千也さんにお話を伺います。

<虫刺症とは>

「虫刺症」は、虫に「血を吸われる」「刺される」「噛まれる」「接触する」ことによって起こる皮膚炎で、肌を露出する夏に多い病気です。「虫刺症」は 蚊やダニ(など)に血を吸われたり、ハチ(など)に刺されたりして、皮膚に異物が注入されることでアレルギー性炎症反応を起こす場合と、毛虫、蛾(など)の有毒な毛に皮膚が触れることで刺激性炎症反応が起こる場合の、二つの症状があります。

<虫刺症によるアレルギー性炎症反応とは>

「虫刺症」によるアレルギー性炎症反応は、虫に刺されて、「皮膚が赤くなる」「腫れる」「かゆみが出る」「ショック症状が起きる」といった症状が起きますが、刺されてもすぐに症状が出ない場合もありますのでご注意ください。7月から9月にかけては、スズメバチによる被害が多くなる時期で、以前、スズメバチに刺されたことのある方であれば、「ショック症状」が起こす可能性が高いため、特に注意が必要です。また、蚊の中でも「シナノヌカカ」や、「ブヨ」に刺された場合、体質によっては発疹が広範囲に渡り、掻き続けてしまうことで皮膚に跡が残ることもありますので、刺された時には初期の対応を行ってください。

<虫刺症によるかゆみを掻き続けると>

「虫刺症」による皮膚のかゆみで、同じ場所を掻き続けてしまうと、「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」という、なかなか治りにくい、かゆみを伴う硬いかたまり(結節)が皮膚にできてしまいます。「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」は、外見的にも日常生活上でも支障をきたしてしまいますので、かゆみは初期の段階で治療することが重要です。

<虫刺症によるかゆみを抑える初期の対応>

「虫」に刺されたり、「虫」の有毒な毛に触れたりした場合は、①流水での洗浄、②保冷材による冷却、③ステロイドの外用剤の塗布、といった初期の対応を行うことで、かゆみが止まらなくなるような悪循環を防ぐことが出来ます。但し、皮膚の腫れが大きい場合や発熱などの症状がある場合は、早急に、皮膚科を受診してください。

<虫刺症の予防>

「虫刺症」の予防は、第一に肌の露出を少なくすることですが、濃い色の服は「虫」が集まりやすくなりますので、淡色の服を着用することも効果的です。また、皮膚が弱い方でなければ、「虫よけスプレー」など「虫ケア用品」の活用もお勧めします。

取材協力
やまはな皮ふ科クリニック
札幌市中央区南15条西14丁目1-22マックスバリュ南15条店2F
TEL 011-532-1158

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