北海道テレビ:HTB online 医TV

2018年09月03日16時51分

著者名:HTB医pedia編集部

~蚊媒介感染症~

  

<今回のテーマ>
夏の季節に注意が必要なジカ熱やデング熱などの蚊媒介感染症についてです。
「国立国際医療研究センター病院」忽那賢志医師にお話を伺いました。


<蚊媒介感染症とは>
その名の通り、蚊が伝播をさせる感染症で、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症です。感染症によって、伝播させる蚊に違いがあります。
【日本で注意すべき蚊媒介感染症】
デング熱:ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
ジカ熱:ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ
日本脳炎:コガタアカイエカ
【蚊媒介感染症の感染経路】
海外で感染した人が日本で発症
→感染者が日本の蚊に咬まれる
→その蚊が不特定多数を咬む
→感染拡大
※ヒトからヒトへの飛沫感染や空気感染はしません


<ジカ熱>
【感染経路】
・国内に生息するヒトスジシマカを媒介し感染
・蚊に咬まれたウイルス感染者との性交渉による感染
【主な症状】
・症状が軽く気付かないことも多い
・妊婦が感染した場合は胎児に小頭症や先天性障害のリスクが高い
【性交渉による感染症を予防するために】
ジカウイルスは精液や膣分泌液に長期間残存していることからWHOでは、流行地域からの帰国後、男性は6か月間、女性は8週間、コンドームを使用するか、性交渉を控えることを勧めています。


<デング熱>
【感染経路】
・国内に生息するヒトスジシマカを媒介し感染
【主な症状】
・急激な高熱、頭痛、関節痛、嘔吐
・発症から2~7日で解熱
・解熱後に発疹
※まれにデング出血熱に移行し生命に重篤な危険を生じることがある


<蚊媒介感染症の予防法>
①虫ケア(流行地域に渡航する場合は念入りに)
・肌の露出は最小に
・顔や首、手などの露出部は虫よけスプレーなどで保護
・蚊取りグッズを使用して睡眠時の環境を整える
②蚊を発生させない
デング熱などを媒介するヒトスジシマカは水のあるところで孵化するため、家の周りに水のたまるもの(バケツやタイヤなど)は置かない。

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