北海道テレビ:HTB online 医TV

2021年09月10日13時44分

著者名:HTB医pedia編集部

夏に注意すべき皮膚の病気①「虫刺症(虫さされ)」 ひつじがおか皮ふ科クリニック

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」から2回にわたって、夏に注意すべき皮膚の病気にスポットをあてます。第1回目の今回は「虫刺症(虫さされ)」について、「ひつじがおか皮ふ科クリニック」の院長、萩原千也さんにお話を伺います。

<虫刺症(虫さされ)とは>

「虫刺症(虫さされ)」は、虫に「血を吸われる(吸血性)」「さされる・咬まれる(刺咬性)」「接触する(接触性)」ことによって起こる皮膚炎で、肌を露出する夏に多い病気です。吸血性の「虫刺症」は蚊やダニなどによるもので、刺咬性の「虫刺症」はスズメバチなどによるものですが、それぞれ共通して皮膚に異物が混入することでアレルギー性炎症反応を起こします。また、接触性の「虫刺症」は毛虫や蛾などの有毒毛に触れることで皮膚に刺激性炎症反応を起こします。

<虫刺症(虫さされ)のアレルギー炎症反応とは>

虫に血を吸われたり、虫に咬まれたりして起こる「虫刺症」のアレルギー炎症反応は、皮膚の「赤み」「腫れ」「かゆみ」「ショック症状」などの症状を発しますが、人によってその症状がすぐに出る方と、数時間後、または翌日に症状が出る方もおられますので注意が必要です。

<特に注意が必要な「虫刺症(虫さされ)」とは>

毎年7月から9月にかけてはスズメバチによる「虫刺症」が多くなります。以前にスズメバチに刺されたことの有る方はショック症状を起こす可能性が高くなりますので、特に注意する必要が有ります。また、蚊の一種の「シナノヌカカ」や、「ブヨ」に刺された場合は、体質などによっては発疹が広範囲に広がり、掻きつづけると皮膚に跡が残ることも有りますので、刺された時の初期の対応が重要です。

<「虫刺症(虫さされ)」によるかゆみを掻き続けた場合の疾患>

全ての「虫刺症」に共通しますが、同じ場所を繰り返し掻いていると「結節性痒疹」という疾患になる可能性があります。「結節性痒疹」はかゆみを伴う結節(硬いしこり)ですから、治りにくくて外見的にも日常生活の上でも支障をきたすことになりますので、初期の段階でかゆみを抑える治療が大切です。

<「虫刺症(虫さされ)」によるかゆみを抑える初期の対応>

「虫刺症」によるかゆみを抑える初期段階として、「刺された箇所を流水で洗浄する」「保冷材などで冷やす」「市販のステロイドの外用剤を塗布する」というような方法が有ります。但し、皮膚が腫れたり、広範囲にわたって皮膚が赤くなったり、または発熱などの症状が有る場合は早急に皮膚科を受診するようにしてください。

<「虫刺症(虫さされ)」の予防>

「虫刺症」の予防は、長袖、長ズボンなどで肌の露出を少なくするというのが一番の予防になりますが、着用する服の色として、濃い色の服は虫が集まりやすいので淡色の服を着用するようにしましょう。また、皮膚が弱い方でなければ、虫よけスプレーなど虫ケア商品もご活用してください。

取材協力:
ひつじがおか皮ふ科クリニック
札幌市豊平区月寒東1条19丁目
TEL 011-851‐1207
https://hitsujigaoka-derma.com/