北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年08月30日16時44分

著者名:HTB医pedia編集部

医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院① 夏から秋にかけて増加する「尿路結石症」

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、汗をかくことで尿が濃くなる、夏から秋にかけて増加する「尿路結石症」に対して内視鏡による治療を行う「医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院」の診療部長・泌尿器科長 加藤祐司さんにお話を伺います。

<「尿路結石症」の症状>

「尿路結石症」は、腎臓から尿道までの尿路に結石ができる病気です。症状は、結石が腎臓にある時は痛みを伴いませんが、結石が尿管にまで落ちてきますと激痛を伴います。また、結石が腎臓、尿管のいずれの場所に有っても共通の症状として血尿が出てきます。

<「尿路結石症」の診断と治療>

「尿路結石症」は、「尿路感染症」や「高カルシウム尿症」などの代謝異常によって起こることもありますので、最初の診断としては代謝異常によるものを除外するため、尿検査や血液検査などを行います。その後、結石の位置や大きさなどを精査するためにCT検査を行います。
「尿路結石症」の治療は、結石の大きさや・症状によって異なり、結石が5㎜以下の場合、薬物療法で対処しますが、結石が5㎜以下でも痛みが強い場合や、結石が5㎜以上の場合は、結石を直接砕くような砕石治療を行います。 砕石治療には、「ESWL(対外衝撃波砕石術)」・「PNL(経皮的腎砕石術)」・「TUL(経尿道的尿管砕石術)」の三種の治療がありますが、「坂泌尿器科病院」では、砕石治療について「TUL(経尿道的尿管砕石術)」を第一の選択治療としています。

<TUL(経尿道的尿管砕石術)とは>

「TUL(経尿道的尿管砕石術)」は、尿管から結石の位置まで内視鏡を挿入して、レーザーを照射することで結石を砕き、体外に取り出すという治療です。対象は、自然排石が難しいと思われる、2㎝までの結石になりますが、結石の位置に関わらず対応が可能であると共に、確実に結石を砕き、体外に取り出すということを短時間で行えます。

<PNL(経皮的腎砕石術)とは>

2cm以上の珊瑚状結石などの大きな腎結石に対しては、「PNL(経皮的腎砕石術)」という砕石術が行われます。「PNL」は、腎臓に直接、内視鏡を挿入して結石を砕き、体外に排石するという治療です。

<「尿路結石症」の再発を予防するために>

「尿路結石症」は生活習慣などの改善を行わなければ、5年以内に約50%の方が再発するといわれています。過去、「尿路結石症」に罹ったことのある方は、食生活上、動物性たんぱく質やシュウ酸(コーヒー・紅茶・ほうれん草・チョコレートなど)の過剰摂取を避けますようご注意ください。また、季節上のご注意点としまして、夏は汗をかきやすいので水分補給を適切に行うことで、結石の再発予防を心がけてください。

取材協力:
医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院
札幌市札幌市北区北30 条西14 丁目3-1
TEL 011-709-1212
http://saka-uro.or.jp/

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