北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年08月30日16時51分

著者名:HTB医pedia編集部

医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院② 加齢とともに増加する「前立腺がん」

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、男性のがんの中で増加傾向にある「前立腺がん」に対して、外科的治療をはじめ、マーカー埋め込みによる精度の高い放射線治療など、集学的治療に取り組む「医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院」の診療支援部長・笹尾拓巳さんにお話を伺います。

<加齢と共に増加する「前立腺がん」>

男性特有の「前立腺疾患」である「前立腺がん」や「前立腺肥大症」といった疾患は加齢と共に増加する傾向があります。そのうち「前立腺がん」は症状として、排尿に時間がかかるといった「前立腺肥大症」と似ていることから、加齢を理由に放置されることで、進行した状態で見つかることも珍しくありません。
しかし、最近では「PSA(前立腺特異抗原)検査」という血液検査によって「前立腺がん」の早期発見が可能となっています。

<「前立腺がん」の確定診断>

「前立腺がん」と確定されるには、上述の「PSA検査」において、4ng/ml以上の異常値を示した場合、直腸診・超音波検査などで表面の硬結を確認した上で、生検として前立腺の複数個所から組織を採取し、がんの有無や悪性度を判定した上で行われます。

<「前立腺がん」の早期治療>

「医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院」では、MRI検査やCT検査を行い、悪性がんがリンパ節などに転移しておらず、前立腺に留まっている場合、外科的治療に加えて、関連施設である「脳神経・放射線科クリニック」で「IMRT(強度変調治療)」による放射線治療を行うことで、「前立腺がん」の根治を図っています。「IMRT」による放射線治療は、前立腺に集中して放射線を照射することが可能ですので、患者さんにとっても負担の少ない治療です。

<50歳以上の男性の方々へ>

早期の「前立腺がん」は、上述の「IMRT」のような放射線治療で治すことが可能な「がん」ですので、50歳以上の男性であれば、1年に1度、PSA検査を受けることをお勧めします。特に、父親や兄弟などの近親者に「前立腺がん」に罹った方がおられる場合、「前立腺がん」の発症リスクが高くなりますので、定期的なPSA検査を受けるように心がけてください。

取材協力:
医療法人社団北腎会 坂泌尿器科病院
札幌市札幌市北区北30 条西14 丁目3-1
TEL 011-709-1212
http://saka-uro.or.jp/

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