北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年03月05日15時29分

著者名:HTB医pedia編集部

~正しく理解しよう「脂肪肝」①脂肪肝の原因と症状 国家公務員共済組合連合会 斗南病院~

  

<今回のテーマ>

3月の医TVは、脂質や糖質の多い食事等に起因する「消化器病」にスポットをあてます。
第一回は、「脂肪肝の原因と症状」。脂肪肝については、かつて重症化しない病気と考えられていましたが、現在は脂肪性肝炎から肝硬変や肝臓がんに進行する注意すべき病気と考えられています。番組では、脂肪肝の原因である脂質の多い食事やアルコールがどのようなメカニズムで脂肪肝に進展するかなど、その症状について消化器内科の庵原秀之医長にお話を伺います。

<肝臓のはたらき>

肝臓の働きは主に、食べ物などから吸収した栄養素を分解・再合成する代謝、お酒などに含まれる有害物質の解毒分解、そして脂肪の消化吸収を助ける胆汁の合成・分泌です。

<脂肪肝とは>

肝臓に脂肪が多く蓄積した状態を脂肪肝と言っていて、脂肪肝の中でもアルコールが原因のアルコール性の脂肪肝とアルコールを飲んでいないのに肝臓に脂肪が蓄積する非アルコール性の脂肪肝というものがあります。

<脂肪肝の原因>

食べる摂取カロリーが多くなったり、運動不足などで消費エネルギーが低下したりというアンバランスが出てくると脂肪が肝臓に蓄積しやすくなります。
食事や飲酒で摂取した脂肪や糖質は、肝臓で中性脂肪に変換され、エネルギーなどとして血液中に放出されますが、過剰に摂取した場合は肝臓に蓄積され脂肪肝となります。

<脂肪肝の進行>

脂肪肝の症状は特にありません。昔は良い経過をたどると考えられていましたが、最近は脂肪性肝炎から肝硬変や肝臓がんにまで至る可能性のある病気という認識になっているので、単なる脂肪肝と片付けないでしっかり検査をしないといけない病態だと言えます。

<脂肪肝を進行させないために...>

症状がないので、自分から進んで健康診断や人間ドックを受けるという気持ちでいかないと見つけれない病態です。
脂肪肝の原因にもよると思いますが、アルコール性であればアルコールをやっぱり控えていただくことが重要であり、非アルコール性であれば食事療法や運動療法での体重のコントロールが重要と言われています。だいたい体重を7%減らすと肝臓の脂肪や炎症をかなり抑えることができると言われているので、そういった体重のコントロールが重要になります。

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