北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年03月09日15時22分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「脂肪肝」②脂肪肝の診断と治療

  

<今回のテーマ>

3月の医TVは、日本人の四人に一人が罹っているといわれる「脂肪肝」にスポットをあてます。 第二回は、「脂肪肝」の診断と治療について考えます。 「脂肪肝」については、かつて重症化しない病気と考えられていましたが、現在は脂肪性肝炎から肝硬変や肝臓がんに進行する可能性のある病気と考えられています。番組では、「脂肪肝」の原因である脂質の多い食事やアルコールがどのようなメカニズムで「脂肪肝」に進展するかなど、その症状について、「斗南病院 消化器内科」の庵原秀之医長にお話を伺います。

<肝臓のはたらき>

肝臓の働きは主に、食べ物などから吸収した栄養素を分解・再合成する代謝、お酒などに含まれる有害物質の解毒分解、そして脂肪の消化吸収を助ける胆汁の合成・分泌です。

<脂肪肝とは>

肝臓に脂肪が多く蓄積した状態を脂肪肝と言っていて、脂肪肝の中でもアルコールが原因のアルコール性の脂肪肝とアルコールを飲んでいないのに肝臓に脂肪が蓄積する非アルコール性の脂肪肝というものがあります。

<脂肪肝の診断>

「脂肪肝」は症状が無いので、自ら進んで健康診断や人間ドックを受けなければ、見つけられない病態です。「脂肪肝」などによる「肝障害」が有る場合、血液検査の結果として、「GOT」、「GPT」、「γ-GPT」、「ALP」のいずれかの数値が上がることが多くみられます。但し、血液検査の結果として、数値上の異常が無くても、「40歳以上」で、「肥満」があり、「糖尿病」に罹患しているような場合は、「脂肪肝」のリスク要因を抱えていることになるので、別途、「腹部エコー検査」による精査を行うことをお勧めします。

<脂肪肝の治療>

現在のところ、「脂肪肝」に対する「治療薬」はございません。 従いまして、「アルコール性脂肪肝」であれば、お酒を飲むことを控えてください。 「非アルコール性脂肪肝」であれば、食事の摂り方に気を付け、定期的な運動を行うことで、体重の減量を図ることが重要です。(体重を約7%減量することで、蓄積した脂肪の脂肪や炎症を抑えることが出来ます)

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