北海道テレビ:HTB online 医TV

2022年07月05日13時57分

著者名:HTB医pedia編集部

白内障に対する眼内レンズ挿入 愛心メモリアル病院 眼科①

  

<今回のテーマ>

「医TV」は今回から2回にわたって、新しい眼科部長が就任した「愛心メモリアル病院 眼科」の取り組みを紹介します。第1回となる今回は、同病院眼科が行う「白内障」に対する眼内レンズ挿入について眼科部長の金学海(じん しゅえはい)先生に解説して頂きます。

<白内障の病態と症状>

「白内障」は、眼の中にあるカメラのレンズにあたる水晶体が白く濁って、光を透過しづらくなり、網膜に像を結びにくくなる病態です。「白内障」が進行してくると、最初は軽度な症状として視界が全体的にかすむようになり、重度な症状になると光をまぶしく感じるようになります。また、「白内障」は進行段階で、視界が悪いことから眼鏡やコンタクトレンズを作り直しても、見え方や視力に改善が見られないという特徴があります。

<白内障の治療>

「白内障」の発症前、または発症の早期段階では点眼薬によって症状の進行を抑えることができますが、一度濁ってしまった水晶体の機能を元に戻すには手術以外の治療法は有りません。「白内障」の手術は患者さんが日常生活で不便や不自由を感じたときに、その実施を検討しますが、「白内障」の患者さんの中には「緑内障発作」を起こしやすい方もいるので、手術の実施時期も別途確認する必要があります。

<白内障に対する手術>

「愛心メモリアル病院 眼科」での「白内障」の手術は保険適用の範囲として、①眼球の小さな切開創から器具を入れて水晶体の白濁部分を超音波で砕いて吸引により除去し、②除去した水晶体の部位に単焦点眼内レンズを挿入・留置する方法で行われます。挿入する単焦点眼内レンズは、「遠くに焦点が合うレンズ」、「近くに焦点が合うレンズ」のいずれかを、患者さんの生活環境に合わせて選択しますが、手術後に見えにくい部分が有る場合、眼鏡で補正する必要があります。
※「愛心メモリアル病院 眼科」では、2021年度において、「白内障に対する単焦点眼内レンズ手術」の実績が207例有ります。

<眼内レンズ挿入手術後の合併症を予防するために>

患者さんにおいて、眼内レンズ挿入手術後に最も危惧されるのは、何らかのウィルス感染による合併症です。「愛心メモリアル病院 眼科」では、「白内障」が高齢者に多い病気であることからも、手術を受ける患者さんは全員入院してもらい、手術後もある程度炎症が落ち着いてから退院するように、感染予防に細心の注意を払っています。

取材協力:
社会医療法人社団 愛心館 愛心メモリアル病院
札幌市東区北27条東1丁目1-15
Tel: 011-752-3535