2018年06月01日18時42分
~こころの病気と注意すべき症状②「適応障害」~
<今回のテーマ>
うつ病に進行することが多い、適応障害。環境の変化に適応できないことなどがストレスとなって、心身に様々な症状が起き生活に支障がでる病気です。
適応障害の病態や注意すべき症状、診断・治療、職場等での対応について、「しもでメンタルクリニック 下出道弘医師」にお話を伺いました。
<適応障害の主な症状とは>
原因となるストレスを感じて3ヶ月以内に症状が出現
(※ただしストレスがなくなると6ヶ月以内に症状が改善)
【心の症状】
・不安
・憂鬱感
・不眠
・イライラ など
【自律神経に起因した症状】
・倦怠感
・疲労感
・息苦しい
・動悸
・吐き気
・下痢
・便秘 など
<適応障害の診断と治療>
【診断】
〇問診などにより原因となったストレスを特定
※症状がうつ病に似ていることから(うつ病との鑑別)
【治療】
〇原因となったストレスの除去
・職場環境の改善など
〇ストレスへの適応力を高める
・認知行動療法など
〇薬物療法
・不安が強い...抗不安薬
・抑うつが強い...抗うつ薬
・不眠...睡眠薬
<適応障害はうつ病のきっかけになりやすい>
適応障害は、誰でもかかり得る病気です。また、適応障害の40%以上の人が、5年後にはうつ病などの診断名に変更になると言われています。
職場のストレスが原因の場合は、会社が委嘱している産業医などと連携して、精神科や心療内科などの医療機関の受診を勧めることが大切です。


