北海道テレビ:HTB online 医TV

2018年10月01日19時53分

著者名:HTB医pedia編集部

~「睡眠時無呼吸症候群」①原因と起こり得る合併症について考える~

  

<今回のテーマ>
今回は、睡眠時無呼吸症候群の原因と起こり得る合併症について、「エルムの杜内科クリニック 澁谷英二院長」にお話を伺いました。


<どこからが睡眠時無呼吸症候群なのか>
睡眠時無呼吸症候群、その名の通り、眠っている間に呼吸の止まる病気という意味です。
無呼吸=10秒以上呼吸が停止する状態
それが1時間の睡眠に5回以上起こった場合、睡眠時無呼吸症候群とされます。
眠っているときにおこる病態であることから、患者さん自身が気が付きにくいという恐ろしさがあります。


<約8割は閉塞型?!>
睡眠時無呼吸症候群には中枢型と閉塞型という2つの型があります。
患者の約8割以上は閉塞型とされていますが、その最大の原因はやはり"肥満"とされています。喉の周りの脂肪組織が増えて、気道を狭めてしまうということが、肥満の方には多いのです。
ただ、痩せている人でも小顔で下あごが小さかったり、扁桃腺の肥大がある人はなりやすいとされています。


<日中の眠気よりも怖いものとは?>
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠が浅くなり、日中に眠気をきたすというのがひとつの問題です。これまでは、そこにばかり注目が集まっていましたが、最近では心臓や血管の病気につながるということが認識されてきました。
特に、高血圧症の患者さんで薬を飲んでも血圧が下がらない患者さんの約8割が、無呼吸症候群であったという報告もあります。
それから、狭心症や不整脈、大動脈瘤の病気にまでこの無呼吸症候群が関係するといわれていますので、眠たくなる病気という捉え方ではなく、時には死にもつながるような怖い病気であるという認識が大切です。
スリープパートナーが睡眠中の無呼吸に気づいた時や、睡眠を取ったつもりでも昼間に
強い眠気などがある場合には、医療機関で検査と治療を受けることが必要です。

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