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2022年11月09日14時48分

著者名:HTB医pedia編集部

北海道循環器病院「心不全チーム」の取り組み① 心不全に特化した診療チームを開設した理由とは

  

<今回のテーマ>

北海道循環器病院が「心不全」に特化した診療チームを開設した理由について、同病院理事長の大堀克己先生にお話を伺いました。

<心不全チームを開設した理由とは>

狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症などの疾患に対して治療を行ったのち、10年から20年というような長い期間を経て、血管が詰まったり、治療を行ったところが痛んできたりして、心臓の機能が低下した状態、それが「心不全」です。超高齢化社会を迎えた今、「心不全」の患者さんが増えていく一方であることから、北海道循環器病院では、「心不全」の患者さんのみならず、患者さんのご家族が抱える不安も受け止めて、「生きる」ことの喜びを共有できるように、あらためて「心不全」に特化した診療チームを開設したそうです。

<心不全チームによる治療の対象となるステージ分類>

「心不全」は病状の進行具合によって、ステージAからステージDにかけて、4つのステージに分類されます。北海道循環器病院の「心不全チーム」では、「心不全」を実際に発症した3つ目のステージであるステージCから、「心不全」の治療が難しくなるステージDの患者さんを対象に、「心不全」を早期に発見して適切な治療を行うことで心機能の低下の抑制を図ります。

<心不全チームを構成するスタッフ>

総合的な力が必要なことから、北海道循環器病院の「心不全チーム」では、「医師」・「看護師」・「薬剤師」・「診療放射線技師」・「臨床工学技士」・「臨床検査技師」・「管理栄養士」・「リハビリスタッフ」・「医療ソーシャルワーカー」という、多職種のスタッフで構成されています。

<心不全チームがめざす患者さんの生涯を支える医療>

心不全の患者さんにとって、住み慣れた環境でご家族と一緒に暮らすことは大切なことの一つです。そこで北海道循環器病院の心不全チームでは、同病院外の「在宅支援診療所」・「訪問看護ステーション」等とも連携して、訪問診療や訪問看護のスタッフと、在宅での患者さんの症状などの情報をICT(情報通信技術)端末を使用してリアルタイムでの情報の共有を行い、患者さんの心不全が進行した場合は、同病院が受け入れるという体制を整えています。

<超高齢化社会の到来とともに心不全が急増するなかで>

「心不全」は突然死に繋がることもある疾患です。ご高齢の方で、「疲れやすい」、「体を動かすと息苦しい」、「足のむくみ」、「横になると息苦しいが起きると楽になる」などの症状があれば、「心不全」の注意すべきサインになりますので、早急に循環器内科を受診してください。

取材協力:
社会医療法人 北海道循環器病院
札幌市中央区南27条西13丁目1-30
TEL:011-563-3911
https://hokujun.or.jp/