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2022年11月09日16時21分

著者名:HTB医pedia編集部

北海道循環器病院「心不全チーム」の取り組み② 心不全に特化した診療チームがめざす医療

  

<今回のテーマ>

北海道循環器病院で「心不全」に特化した診療チームがめざす医療について、同病院・心不全チームの統括責任者である村上弘則先生にお話を伺いました。

<心不全とは>

「心不全」は、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)から狭心症、心筋梗塞や心臓弁膜症などの様々な疾患を経たのち、心臓の機能が低下して十分な血液の供給が出来なくなる病態で、発症後は徐々に悪化していきます。

<心不全チームの診療対象>

「心不全」は病状の進行具合によって、ステージAからステージDにかけて、4つのステージに分類されます。北海道循環器病院の「心不全チーム」では、「心不全」を実際に発症した3つ目のステージであるステージCから、「心不全」の治療が難しくなるステージDの患者さんを対象に、「心不全」を早期に発見して適切な治療を行うことで心機能の低下の抑制を図ります。

<心不全の治療目標>

「心不全」に対しては現在、以前とは比べられない程、非常に効果の高い薬剤が登場しています。従って「心不全」の患者さんに対して、最新のエビデンス(医学的根拠)に基づいた「ガイドライン」に沿った治療を行えば、生涯にわたって入院を回避し、患者さんにとっては住み慣れた自宅で「生きがいをもって」生涯を過ごすことができます。

<心不全の患者さんを生涯支えていくためには>

心不全の患者さんにとって、住み慣れた環境でご家族と一緒に暮らすことは大切なことの一つです。そこで北海道循環器病院の心不全チームでは、同病院外の「在宅支援診療所」・「訪問看護ステーション」等とも連携して、訪問診療や訪問看護のスタッフと、在宅での患者さんの症状などの情報をICT(情報通信技術)端末を使用してリアルタイムでの情報の共有を行っています。また、同病院では「心不全チーム」のみならず、多職種連携として各分野の専門家がそれぞれの視点から、患者さんの病態の評価や日常生活の課題などを共有して、全スタッフが同じ目標に向かって患者さんを支援しています。

取材協力:
社会医療法人 北海道循環器病院
札幌市中央区南27条西13丁目1-30
TEL:011-563-3911
https://hokujun.or.jp/