北海道テレビ:HTB online 医TV

2018年11月14日15時52分

著者名:HTB医pedia編集部

~「紫外線と皮膚疾患」② 日光角化症と有棘細胞がん~

  

<今回のテーマ>
「紫外線と皮膚疾患」
紫外線のなかでもUV-Bが発症に関与する「有棘(ゆうきょく)細胞がん」の早期病変である「日光角化症」について考えます。「日光角化症」は農作業などで長年紫外線を浴びることによって発症することから患者は高齢者に多い傾向にある。本企画では「日光角化症」と「有棘細胞がん」の発症メカニズムとともに診断、治療、予防策等について北海道医療センター皮膚科の廣﨑邦紀医長にお話しをお聞きしました。


<皮膚がんを引き起こす紫外線とは...>
紫外線にはUV-A・UV-B・UV-Cというものがあって、UV-Bが皮膚がんに関わっていると言われています。
UV-BはUV-Aに比べて浅いところで止まる波長の光です。
皮膚がんはUV-Bに長い間当たることによって皮膚も表皮細胞のDNAに影響して、DNAの修復が障害されることによって悪性化のシグナルが生じてくると言われています。


<日光角化症とは...>
日光角化症は紫外線が原因で生じる早期の皮膚がんで、放置すると皮膚の真皮に侵入していって、有棘細胞がんになると言われています。さらに進行していくと転移が生じることになります。
日光角化症にかかりやすい方は農作業をされる方、あるいは紫外線にあたるような職業で高齢者に多いということになります。
日光角化症の出来やすい部位としては、顔面・手の甲・腕といったところになります。
長年日光に当たった部分に湿疹のような皮膚病変が起きて、1年あるいは2年経っても治らないといった時には日光角化症を考えて皮膚科を受診した方がいいと思います。


<日光角化症の診断と治療>
診断は病変部を一部採取して、それを病理診断で確定診断します。
治療は液体窒素治療と外用薬による免疫療法がありますが、外用薬による治療で効果が見られないときは手術で対応していきます。


<対策>
高齢になって発症するのは、小さい頃から長年の蓄積になりますので子供の頃から日に当たるときは日に当たらないように、日焼け止めクリームやサングラス、日傘などを使ってなるべく直射日光に長時間当たらないようにした方がいいと言われています。

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