北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年02月27日13時50分

著者名:HTB医pedia編集部

~正しく理解しよう「心不全」④ 社会医療法人社団愛心館 愛心メモリアル病院~

  

<今回のテーマ>

2月の医TVは「心不全」にスポットをあてます。第四回は「心不全に対する緩和ケア」についてです。「心不全」においても日常生活動作時の呼吸困難や息切れなど、症状がQOL(クオリティオブライフ)の低下につながることから「緩和ケア」の関与の重要性が叫ばれています。今回は「心不全における緩和ケア」の目的等について社会医療法人社団愛心館 愛心メモリアル病院の岡本洋院長にお話を伺いました。

<心不全とは>

心臓というのは1日20万回動いています。心不全は、病名というよりは心臓が収縮して広がって血液を循環させる働きが障害される病態・状態のことをいいます。
65歳以上の約1割、ですから高齢者の方に非常に多い病態ということになります。

<心不全の症状(兆候)と診断>

心不全の判断の一つは、自覚症状です。今まで階段を上っても息切れしなかったものが、休まないと上ることが出来なくなったり、あるいは動悸がするなどの自覚症状です。
もう一つは兆候です。食べてもいないの体重が増えてくる、足がむくんでくる、そういうことも心不全の兆候であることがあります。

<心不全の身体機能の推移と管理方針>

最初の早いステージだとライフスパン(生から死までの時間的隔たり)を伸ばすように、出来るだけ症状もなく長生きできることが一番の目標です。ところがだんだん末期的になってきた場合は、苦しまないで人生を全うすることが目標になってきます。
最近は〝緩和医療〟が心不全でも持ち込まれて、ガンと同じように対応した方がいいのではないかと考えられるようになってきました。
がんに対する緩和ケアは、診断時には治療の関わりが高く、進行するにあたって低くなる傾向にありますが、心不全では終末期でも治療が関わることが多く見られます。

<心不全における緩和ケアの役割>

心不全の緩和ケアは、治療しながらなおかつ苦しみも和らげるというものなので、寿命に限りはありますが、制限されるものではないので、出来るだけ本人の意思を全う出来る生活を送っていただくための緩和ケアだと考えます。

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