北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年12月17日14時43分

著者名:HTB医pedia編集部

食生活などが関係する病気②胆石症

  

<今回のテーマ>

「医TV」は前回より3回にわたって、食生活などが関係する病気について紹介しています。第2回は「胆石症」の診断と治療について、国家公務員共済組合連合会 斗南病院 消化器内科医長の庵原秀之さんにお話を伺います。

<胆石症とは>

「胆石症」の原因となる胆汁は、脂肪の消化吸収を助ける消化液として肝臓で生成され、胆のうで蓄えられたうえで総胆管を経由して十二指腸に放出されます。「胆石症」は肝臓や胆のう、総胆管に結石が生じる病気で、それぞれ「肝臓結石」、「胆のう結石」、「総胆管結石」と呼ばれます。「胆のう結石」の場合は、脂質の多い食事を摂取し胆のうが収縮すると、おなかの右上の肋骨周囲や、背中の右側に痛みが生じ、「胆のう」に炎症が起きると、発熱や嘔吐、強い腹痛が生じます。「総胆管結石」の場合は、胆管の出口が詰まりかけているときに、胆汁が胆管内に多く放出され、みぞおち(心窩部)周囲や背中に痛みが生じ、「総胆管」に炎症が起きると、38度以上の高熱、嘔吐、黄疸などの症状があらわれます。

<胆のう結石の診断・治療>

「胆のう結石」の場合、全く自覚症状が無ければ経過観察で構いませんが、以前に自覚症状が有った方であれば、半数の方が症状を繰り返しますので、腹腔鏡による「胆のう摘出術」を受けることがより良い治療になります。なお、「胆のうがん」の場合、胆のう結石が合併している率が高いので、自覚症状が無くても定期的に腹部エコー検査を受けることが大切になります。

<総胆管結石の診断・治療>

「総胆管結石」の場合も全く自覚症状が無いことはありますが、結石によって胆汁が流れにくくなることで、急性胆管炎になり、その後、敗血症などの危険な状態になることがあります。従って、自覚症状が無い場合でも、胆管に結石が見つかれば、内視鏡によって結石を取る「ERCP(内視鏡的胆管結石除去術)」を行う必要があります。

取材協力:
国家公務員共済組合連合会 斗南病院
札幌市中央区北4条西7丁目3-8
011-231-2121
http://www.tonan.kkr.or.jp/

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