北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年04月02日14時52分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「胆石症」③胆石症の「腹腔鏡手術」と「内視鏡治療」

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、先週に引き続き、食生活の欧米化により増加傾向にある「胆石症」にスポットをあて、その「胆石症」への「腹腔鏡手術」と「内視鏡治療」について考えます。
番組では、胆のうや胆管に固形物(結石)が生じる「胆石症」について、どのような原因、メカニズムで「胆石症」に進展するかなど、その診断や診療、更に診断結果によって行う「腹腔鏡手術」と「内視鏡治療」について、「斗南病院 消化器内科」の庵原秀之医長にお話を伺います。

<胆汁の流れ>

「胆石症」の原因となる「胆汁」は、脂肪の消化、吸収を助ける消化液として、肝臓で生成され、胆のうで蓄えられたうえで、必要に応じて総胆管を経由して、十二指腸に放出されます。

<胆石症とは>

「胆石症」は、胆のうに固形物のある「胆のう結石」、胆管に固形物のある「総胆管結石」、そして、肝臓の中にある胆管に固形物のある「肝内結石」と、三つの種類があります。

<胆のう結石の治療>

「胆のう結石」は自覚症状が無ければ、経過観察となりますが、以前に一度でも自覚症状が有れば、そのうちの半数の方々が症状を繰り返すため、腹腔鏡による「胆のう摘出手術」を受けることが良いと言われています。腹腔鏡による「胆のう摘出手術」は、癒着がひどくない限り、単孔式(ひとつの孔を腹部に開けて行う手術法)による「腹腔鏡下胆のう摘出手術」(へその部分を2~3㎝程度切開して、手術用具を挿入し、胆のうを摘出する手術)が行われます。単孔式による「腹腔鏡下胆のう摘出手術」は、「傷がほとんど目立たない」、「出血が少ない」、「手術後の痛みが少ない」、「入院期間が短い」というメリットがあります。

<総胆管結石の治療>

「総胆管結石」は自覚症状の無い場合もありますが、一旦詰まってしまうと、胆汁が流れにくくなることで、「急性胆管炎」になり、その後、「敗血症」など危険な症状を引き起こす可能性があるので、自覚症状の無いうちに、結石を除去するという治療が必要です。治療法は、ERCP(内視鏡的胆管結石除去術)という、口から内視鏡を入れ、十二指腸にある胆汁の出口(十二指腸の乳頭部)から、内視鏡の先端にある、バスケット状のワイヤーを挿入し、総胆管内の結石を取り出すという治療が行われます。

<胆のうがんの予防>

「胆のうがん」の方は、そもそも「胆石症」を合併していることが多く見受けられます。
従って、「胆のうがん」にならないための「胆石症」の予防として、「食事時間を規則的にする」、「脂質やコレステロールの多い食事を控える」、また、「運動や食事により体重を減量する」といった習慣を心がけてください。

医TVの放送内容はこちら >>