北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年03月25日16時39分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく理解しよう「胆石症」②胆石症の診断と治療

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、先週に引き続き、食生活の欧米化により増加傾向にある「胆石症」にスポットをあて、その診断と治療について考えます。
番組では、胆のうや胆管に固形物(結石)が生じる「胆石症」について、どのような原因、メカニズムで「胆石症」に進展するかなど、その診断や診療について、「斗南病院 消化器内科」の庵原秀之医長にお話を伺います。

<胆汁の流れ>

「胆石症」の原因となる「胆汁」は、脂肪の消化、吸収を助ける消化液として、肝臓で生成され、胆のうで蓄えられたうえで、必要に応じて総胆管を経由して、十二指腸に放出されます。

<胆石症とは>

「胆石症」は、胆のうに固形物のある「胆のう結石」、胆管に固形物のある「総胆管結石」、そして、肝臓の中にある胆管に固形物のある「肝内結石」と、三つの種類があります。

<胆石症の痛みの特徴>

「胆のう結石の痛み」としては、脂質の多い食事を摂り、胆のうが収縮することによって、肋骨の右側周囲、背中の右側が痛むことが特徴として多くあげられます。炎症を起こし「胆のう炎」になると、発熱、嘔吐、強い腹痛を引き超すこともあります。「総胆管結石の痛み」としては、胆管の出口が詰まりかけているときに、脂質の多い食事を摂り、胆汁が胆管内に多く放出されることで、みぞおちや背中が痛むことがあります。ままた、胆汁が流れにくくなり、菌が発生するような「胆管炎」になると、高熱、嘔吐、黄疸などが多く見受けられます。

<胆のう結石の診断と治療>

「胆のう結石」の診断は、肝機能のチェックのために、「血液検査」が必須となります。
自覚症状の無い「胆のう結石」であれば、経過観察でも構いませんが、一度でも自覚症状の有る方であれば、その半数の方々がその症状を繰り返す傾向がありますので、腹腔鏡による「胆のう摘出手術」を検討したほうが良いといわれています。また、「胆のうがん」の方に、「胆のう結石」が合併している率が高いため、自覚症状が無くても、一年に一回は、定期的に腹部エコー検査を行うことを勧めます。

<総胆管結石の診断と治療>

「総胆管結石」の場合、自覚症状が無い場合がありますが、胆汁が詰まってしまい、流れにくくなることで、「急性胆管炎」になり、「敗血症」という危険な状況になることがありますので、自覚症状の無いときに、内視鏡による「胆管結石除去手術」を行うことが必要となります。

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