北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年04月04日13時25分

著者名:HTB医pedia編集部

医療のミカタ 「ペットにまつわるアレルギー対策は」

  

<今回のテーマ>

人間だけでなく、ペットとして飼われている犬や猫も「アレルギー」に罹ることがあり、逆に、ペットが原因となって「アレルギー」になる飼い主の方もおられます。
今回は、ペットにまつわるアレルギー対策の話です。

<ペットが罹るアレルギー症状と治療方法>

最近、人間と同様に春や秋に、「鼻水」や「くしゃみ」といった「アレルギー症状」を引き起こすペットが増えてきています。更に、「鼻水」、「くしゃみ」といった、呼吸器症状以上に、犬や猫などのペットが、「アレルギー」による皮膚疾患「アトピー性皮膚炎」を罹患する例もあります。
アレルギー疾患に罹ったペットの治療は、人間と同じように血液検査を行い、アレルゲン(アレルギーの原因)を特定したうえで、薬や食事療法で治療を行っていきます。

<ペットが原因で、飼い主がアレルギー症状になるケース>

飼い主自身が飼っているペットにより、動物アレルギーを発症するケースは、ペットのフケや分泌物がアレルゲンとなる、「アレルギー性鼻炎」が、第一にあげられます。
ペットの中でも犬や猫の場合、フケがアレルゲンとなることが非常に多く見られますが、他にもペットの分泌物として、犬や猫に限らず、ペットとして飼っている他種の動物の皮膚や唾液、おしっこにもアレルギンは含まれているため、ご注意ください。

<ペットが原因で、飼い主が「アレルギー性鼻炎」になるメカニズム>

ペットによる「アレルギー鼻炎」症状のメカニズムは、犬や猫のフケなどの抗原(免疫反応を引き起こさせる物質)と呼ばれるものが、鼻の粘膜から侵入し、抗体(抗原と戦うバリア)が、人間の体内にあるマスト細胞(免疫細胞の一種)に結合し、この状態で、再び鼻の粘膜から抗原が侵入すると、マスト細胞から、今度は分泌物を出します。この分泌物が神経や血管を刺激して、くしゃみや鼻水、鼻づまりを起こす、ということになります。

<ペットを飼っている人が原因で「アレルギー症状」を引き起こすことも>

アレルギーの原因となる抗原、特にペットのフケなどは、飼い主の人体に長い時間付着していることが有ります。例えば、家でペットを飼ってなかった人が、職場や学校で、猫アレルギーや犬アレルギーを発症するケースとして、ペットを飼っている人が隣にいることで、アレルギー症状を引き起こすこともありますので、ご注意が必要です。


<ペットによる動物アレルギーになった場合の薬剤投与以外の対策として>

アレルギーの原因となるアレルゲンの薬による回避、除去というのが、第一の治療法になりますが、それ以外の対策として、(飼っているペットの動物種にもよりますが)「ペットの体を週一回洗う」、「ブラッシングをこまめに行う」、また、「できれば室外で飼う」、「室内で飼うのであれば、ペットの移動する部屋を制限する、特に寝室には入れないようにする」というような対策が必要となります。

<ペットによる動物アレルギーにより併発する疾患、他のアレルゲン>

「アレルギー性鼻炎」など、一般的なアレルギー症状以外に、場合によっては、ペットの毛やフケを吸い込み、「気管支喘息」となるケースもあり、特に、子供に多い症状として、「喘息の発作」の原因となることもあります。また、犬、猫以外にも小鳥やウサギなどもアレルゲンとなりますが、驚くことに、アヒルなどの羽毛を含む、羽毛布団やダウンジャケットもアレルギーの原因になることもあります。


厚生労働省の調べによれば、日本国民の三人に一人が何らかのアレルギーを持っており、「アレルギー症状」は、「国民病」とも言われる疾患の一つです。
ペットを飼っていて、(またはペットを飼っていなくても)くしゃみ鼻水が止まらないという方はまずは専門のお医者さん訪ねてみてください。