北海道テレビ:HTB online 医TV

2019年06月17日 9時43分

著者名:HTB医pedia編集部

「イチオシ!! ははははは!ウィーク」本当に怖い歯周病

  

<今回のテーマ>

「歯周病」は、世界で最も蔓延している病気として、2001年にギネスブックにも認定されています。
今回の「イチオシ!!」では、「ははははは!ウィーク」の一環として、放っておくと死に至る病気まで引き起こす危険性のある「歯周病」について、「医療法人ハートフル会 すまいる歯科」の川端一裕院長様にお話を伺いました。

<本当に怖い「歯周病」>

歯に付いている「プラーク」(歯垢)」と呼ばれる歯の汚れを顕微鏡で見ると、おびただしい数の細菌が住み着いていることが判ります。その細菌の中に、特異的に「歯周病」を引き起こす細菌が存在しています。

「歯周病」の罹患状況について、川端院長にお聞きしました。
川端院長「働き盛りの年齢であれば約8割の方にそのような(歯周病の)所見が認められています」

「歯周病」とは、歯と歯茎(歯肉)の間から進入した細菌が、歯茎の炎症を引き起こし、やがては歯を支える骨まで溶かしてしまう病気で、歯が抜ける原因の第1位でもあります。最近では、「歯周病」について「歯周病」が関連するとは想像もつかない、「脳卒中」や「心筋梗塞」、「糖尿病」や「認知症」など、全身の病気まで影響を及ぼすことが明らかになっており、大変怖い病気とされています。なかでも「糖尿病」との関連は深く、「糖尿病」は「歯周病」を悪化させる大きな原因のひとつでもあるのです。

「歯周病」が全身の病気まで影響を及ぼす、その理由について、川端院長にお聞きしました。
川端院長「口の中にある血管と全身の血管はつながっていますので、口の中の菌が血管を通して全身にいきわたることでそれらの(脳卒中や心筋梗塞、糖尿病や認知症などの)疾患が起きている(悪化させている)と考えられます」

川端院長がおられる、札幌市中央区の「医療法人ハートフル会 すまいる歯科」では、「歯周病」が進行している患者さんに薬を使って細菌を根本から退治する「トータルヘルスプログラム」と呼ばれる治療を行っています。

川端院長「当院では飲み薬によって、さらに菌を少なくしたり、菌を殺す殺菌水がありまして、それによって徹底的に菌を取り除いて、限りなく菌の数をゼロに近づけるという方法を採用しています。菌の数が限りなくゼロに近づくと、その後の定期的なメンテナンスによって再発を極めて低くすることが可能となっています」
(「医療法人ハートフル会 すまいる歯科」で行っている「トータルヘルスプログラム」は、保険適用外治療にあたる自由診療となっているため、11万8,070円からの料金となっています)

<「歯周病」予防のために>

「歯周病」は、「歯周病」を引き起こす細菌が増える前に、毎日の歯みがきはもちろん、年1回の定期的な歯科健診で、ご自身では取り切れないプラークや歯石を除去することが大切です。しかし、北海道の調査によりますと、過去1年間に北海道在住の方で、歯科健診を受診した人の割合は28.3%と、決して高い数字ではありません。札幌市では40歳、50歳、60歳の方は500円で、70歳の方は無料で歯周病の検診を受けることができます。歯を守るために、「歯周病」を予防するために、ご自身で行うケアと、歯科医によるプロのケア、この両方のケアを行うことが大切です。