北海道テレビ:HTB online 医TV

2020年12月04日11時57分

著者名:HTB医pedia編集部

正しく知っておこう~災害時の口腔ケア

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は北海道胆振東部地震から2年が経過する中で、「正しく知っておこう~災害時の口腔ケア」と題して災害関連死の多くを占める肺炎の予防について考えます。

<災害関連死における肺炎の割合と発症のピーク>

災害関連死における肺炎の割合は阪神淡路大震災では24.2%、新潟県中越地震では15.3%でした。
また東日本大震災では、肺炎発症のピークが震災後12週間であることが特定され、災害発生初期からの肺炎の予防活動が大切であることが分かりました。

<なぜ災害時に誤嚥性肺炎を起こしやすいのか>

北海道歯科医師会常務理事の河野崇志さん:
「災害時は不安で夜によく眠れなくて免疫力が下がり、口の中の増殖した細菌が肺に入って感染してしまう誤嚥性肺炎が一番多いと言われています。
胆振東部地震でも結構長い時間断水しましたが、災害時に口腔ケアがきちんとできなかいことが原因で誤嚥性肺炎や歯周病などの病気にかかるリスクが高くなると言われております」

<北海道歯科医師会の災害時の対応>

河野さん:「北海道との協定で、北海道から依頼があったらチームを作って現場に派遣して口腔ケアをしています。高齢者の方は入れ歯がなくなったら食事も食べられなくなりますので、暫定的な入れ歯を作ったり、急性症状を訴える患者さんの処置をしたり最大の支援をしたいと考えております」

<災害時の誤嚥性肺炎を予防するためには>

河野さん:「消毒成分が含まれている洗口剤やへ液体歯みがきを使ってうがいをして、その後に歯磨きをするのが、水を使わない口腔ケアとして便利だと思います。うがいにお茶を使うのも一つの方法です。避難する際には洗口剤や液体歯みがきを準備することがとても大事かと思います」

洗口剤や液体歯磨きはさまざまなメーカーが製造しています。詳しくはサツドラほか店頭でご確認ください。
また災害時の口腔ケアについては北海道歯科医師会、サンスターのホームページで公開しています。

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