2019年11月21日14時36分
高齢者が注意すべき感染症①インフルエンザ
<今回のテーマ>
今回の「医TV」から3回にわたって、これからの季節に高齢者が注意すべき感染症について紹介していきます。第1回目の今回は「インフルエンザ」について、札幌市保健所 感染症担当部長の山口亮さんにお話を伺います。
<インフルエンザの原因と感染経路>
「インフルエンザ」は、「インフルエンザウィルス」による感染症で、大きく二つの経路で感染します。感染経路の一つは、インフルエンザに罹っている方のくしゃみやせきをすることで、唾に含まれるウィルスを吸い込んでしまう「飛沫感染」と、もう一つは、ウィルスが付着したドアノブなどを手で触れて、その手で目をこすることで感染する「接触感染」の二つの経路があります。
<高齢者がインフルエンザに注意すべき理由>
高齢者は加齢とともに呼吸機能が低下していきますので、インフルエンザに感染してしまうと全身の状態が悪化して合併症を重症化させるリスクがあります。特に既往症として「糖尿病」、「心疾患」、「腎臓病」や「COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患」に罹っている高齢者の方はご注意ください。
<インフルエンザの流行の経過>
「インフルエンザ」の流行は例年ですと、11月から始まり、1月から2月にかけてピークを迎え、3月以降徐々に終息していきます。しかし今年は、例年より1ヵ月早い10月上旬から流行が始まっていますので、今後の流行にご注意ください。
<インフルエンザの予防>
「インフルエンザ」の予防は、上述の二つの経路による感染からの予防になります。「飛沫感染」については、(「せきエチケット」としてインフルエンザに感染した方も含め)マスクを着用し、「接触感染」については帰宅時に手洗いをしっかり行うことで予防することに繋がります。また、インフルエンザワクチンの予防接種も効果的ですが、接種して効果が得られるまでには約2週間の期間を要しますので、流行がピークを迎える前に余裕を持って、予防接種を受けることが大切です。