北海道テレビ:HTB online 医TV

2023年12月25日13時46分

著者名:HTB医pedia編集部

「5類」感染症となってはじめて迎える冬の生活 新型コロナウイルスのいま

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、新型コロナウイルスが5類感染症となってはじめて迎える冬にあたり、同ウイルスの現状について、札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座の黒沼幸治先生にお話しを伺います。

<5類移行後初の冬の感染予測>

ここ数年においてはインフルエンザが流行しなかったことにより、若年層を中心に免疫が少ない方々が一定数存在しているということから、新型コロナウイルスが5類になってはじめて迎える、この冬においては、インフルエンザのみならず、新型コロナウイルスも増加する可能性が有ると予測されています。

<北海道における感染状況>

北海道における2023年第48週(11月27日~12月3日)現在の、インフルエンザと新型コロナウイルスの感染状況は、同年第45週(11月6日~11月12日)からの定点報告によれば、インフルエンザは急増から減少に転じていますが、新型コロナウイルスは微増の傾向にあります。

<新型コロナウイルスの変異株の状況>

新型コロナウイルスの変異は、感染拡大初期のアルファ株やデルタ株といった強毒株から、オミクロン株のような弱毒株に変異してきていますが、現状ではオミクロン株のうち、XBB系のEG.5といわれる株が、感染する株全体の75.9%を占め、最も感染の多い変異株となっています。(=東京都保健福祉局:2023年11月16日12時00分現在)

<現在、接種が行われているワクチンとは>

現在、新型コロナウイルスに対して行われているXBB対応ワクチンは、従来の変異株にも感染や発症の予防、また重症化を予防する効果も期待できるものとされています。ワクチンの接種は任意のものですが、重症化リスクの高い、65歳以上の高齢の方や基礎疾患のある方については、引き続きの接種が推奨されています。(ワクチン接種には副反応を伴うことがあり、接種後、時間の経過とともに効果は低下します)

<5類移行後の感染予防ポイント>

新型コロナウイルスが5類になってから、新型コロナウイルスに対する検査や治療が、健康保険の適用範囲内で有料となったことで、発熱などの症状を発しても診療を受けない方々が増えています。しかし(健康上の)弱者を感染から守ることは引き続き大切なことですから、この冬休みの帰省として、高齢の方に会う機会があるとすれば、帰省前に感染リスクの高い行動が出来るだけ避け、状況に応じて、「マスクの着用」・「3密の会議」・「換気」・「手洗い(手指消毒)」など、適切な感染対策を行ってください。また、発熱などの症状がある場合は、新型コロナウイルスやインフルエンザに感染した可能性がありますので、診療と検査を受けたうえで、高齢者や基礎疾患のある方への接触は控えるようにしましょう。

ワクチン接種の予約などの相談は、お住まいの市町村、また、ワクチンに関する質問は以下のコールセンターで受け付けています。
厚生労働省・新型コロナワクチンコールセンター
0120-761-770(フリーダイヤル)
受付時間:毎日午前9時00分~午後9時00分まで(年末年始も含め、土曜日・日曜日・祝日も対応)

取材協力:
札幌医科大学医学部 呼吸器・アレルギー内科学講座
札幌市中央区南1条西16丁目
TEL 011-611-2111(内線32390)
https://web.sapmed.ac.jp/im3/