北海道テレビ:HTB online 医TV

2021年08月13日14時14分

著者名:HTB医pedia編集部

医療法人社団山崎耳鼻咽喉科クリニック 「めまい」 について

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は、コロナ禍により増加している「めまい」について、「医療法人社団山崎耳鼻咽喉科クリニック」の理事長 金谷健史さんにお話を伺います。

<めまいとは>

身体は、視覚、内耳(三半規管)、下肢(深部知覚)の三つの情報が、脳幹や小脳で統合されてバランスが保たれているのですが、それら三つの情報の一部が乱れて、ふらふらしたり、ぐるぐる回ったりというようなバランスが崩れた状態を「めまい」と呼びます。

<コロナ禍により増加しているめまいとは>

コロナ禍による外出自粛でテレワークが増加したことで、長時間、パソコンを見ていたりすると、バーチャル空間(仮想空間)からの情報が視覚に入ってくるため、視覚が混乱することがあります。また、長時間のパソコン作業は頭を動かさないので、内耳に悪い影響を与えると共に、長時間座っていることにもなるので、下肢からの情報が低下してしまいます。そのような身体上の情報の混乱や低下は、VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群(=テクノストレス症候群)という眼精疲労を招き、その一つとして「めまい」を発症します。

<めまいの診断>

「めまい」の診断は基本的に全て同じですが、VDT症候群による「めまい」であれば、1日のパソコン作業時間や作業内容の問診を行ったうえで、開・閉眼時の身体のバランス(平衡)機能を精査する重心動揺検査で調べるとともに、「めまい」特有の異常な眼の動き(眼振)がないかどうか、特殊な赤外線CCDカメラを使ったコンピューターで解析する眼振検査を行います。但し、VDT症候群による「めまい」の場合は、異常な眼の動きが無いことが特徴として挙げられます。

<めまいの治療>

VDT症候群による「めまい」の治療の一つは、仕事が「めまい」の原因であることを患者さんに自覚してもらったうえで、「1時間、パソコンによる仕事を行ったら5分間休憩」、「休憩時は遠く見て眼を休める」、「ストレッチなどの運動をする」といった指導を行います。また、VDT症候群に合併しやすい耳石による「めまい」に対しては薬物療法とリハビリを併用させる治療を行います。

<コロナ禍でめまいに悩まれている方へ>

コロナ禍による社会不安は、「めまい」の方を増大させる要因の一つです。「めまい」はきちんと診断ができて、ほぼ治る病気ですから、「めまい」が生じたら、焦らずにすぐに耳鼻科に行くことを心がけてください。


取材協力:
医療法人社団山崎耳鼻咽喉科クリニック
札幌市中央区北11条西14丁目1-16
TEL 011-757-3387
https://yamazaki-jibimemai.jp/