北海道テレビ:HTB online 医TV

2023年06月19日 0時00分

著者名:HTB医pedia編集部

感染法上新型コロナが「5類」に移行して ②新型コロナ感染症に対するワクチンの効果

  

<今回のテーマ>

「医TV」は3回シリーズで、感染法上5類に移行した「新型コロナ感染症」についてスポットをあて、大阪大学大学院医学系研究科感染制御医学講座の忽那賢志先生にお話しを伺います。第2回は、新型コロナ感染症に対するワクチンの効果について、忽那先生に解説して頂きます。

<新型コロナが「5類」に移行して>

「新型コロナ」は分類上、季節性インフルエンザと同じ「5類」の感染症となりましたが、「新型コロナ」は新たな変異株がでてくると、また大きな流行が起きる可能性があるので、季節性インフルエンザと同じような感染症とはまだ言えない状況で、引き続き注意が必要な感染症の一つです。

<日本で感染を広げる変異株と変異による影響>

2023年4月に発表された、東京都によるゲノム解析の報告では、日本も諸外国と同じように、オミクロン株による「新型コロナ」の感染者のうち、XBB系統といわれる変異株が71.7%(BA.5系は12.6%)を占めており、その変異による影響として、感染性、重症度やワクチンの効果にも変化が見られることが判明しています。

<新型コロナワクチンのメカニズム>

最初に出現した新型コロナウイルスは新種のウイルスであった為、感染した人がいない状態で、免疫を持っている人がいなかったため感染が拡大しました。そこで新型コロナに対するワクチンは、体の中に新型コロナウイルスに対する免疫(抗体)をつくって、感染や発症、重症化を予防するものになります。

<国が接種を勧奨する対象と接種ワクチン>

国は高齢者や基礎疾患がある方に対しては、「新型コロナ」に感染した場合、重症化リスクの高いとされているので、ワクチンの接種が望ましいとしています。現時点の3回目以降のワクチン接種では、従来の変異株に加えて、オミクロン株に対応したワクチンの接種が行われていますが、ワクチンの接種後、時間が経過すると共に効果も低下するため、重症化リスクの高い方は年2回の接種が推奨されています。
(ワクチンの接種には副反応などを伴うことがあります)


新型コロナに対応するワクチンを接種しても、発症を完全に予防できるわけではありません。
状況に応じて、「マスクの着用」・「3密の会議」・「換気」・「手洗い(手指消毒)」など、適切な感染対策を行ってください。

ワクチン接種の予約などの相談は、お住まいの市町村、また、ワクチンに関する質問は以下のコールセンターで受け付けています。
厚生労働省・新型コロナワクチンコールセンター
0120-761-770(フリーダイヤル)
受付時間:毎日午前9時00分~午後9時00分まで

取材協力:
大阪大学大学院 医学系研究科・医学部
大阪府吹田市山田丘2番2号
TEL  06-6879-5111
https://www.med.osaka-u.ac.jp/