北海道テレビ:HTB online 医TV

2023年07月15日11時45分

著者名:HTB医pedia編集部

「5類」移行後 夏休みを前にして 新型コロナウイルス感染症の現状とワクチン接種

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」は夏休みを前にして、新型コロナウイルス感染症の現状とワクチン接種について、長崎大学病院小児科の森内浩幸先生にお話しを伺います。

<5類移行後における新型コロナウイルス感染症の現状>

新型コロナウイルス感染症に対する感染対策が5類移行前より緩和されているため、現状、同感染症は人から人へ感染が起こりやすい状況といえます。6月4日までの定点把握による新型コロナウイルスの全国発生状況をみると、週単位の一医療機関あたりの平均患者数は著しく増加しているわけではありませんが、徐々に増えてきています。ウイルス株はこれまで変異を繰り返してきていますが、現在、その多くを占めるのはオミクロン株で、そのうちXBB系統といわれる変異株が主流になってきています。

<国が接種を勧奨する対象>

従来株とオミクロン株を対象とした、接種3回目以降に使用されているオミクロン株対応ワクチンは、XBB株が主流となった現在、感染や発症に対する予防の効果は低くなってきていますが、重症化を防ぐ効果は十分期待できています。従って、国は重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患がある方に対しては、接種後、時間の経過と共にワクチンの効果も低下しますので、年2回のワクチンの接種が望ましいとしています。(ワクチンの接種には副反応などを伴うことがあります)

<5類移行後のワクチン接種>

今年5月から現在にわたって行われている新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種は、重症化リスクの高い人が対象となっていますが、今年9月から予定されているワクチン接種(XBB株対応ワクチン予定)は、重症化リスクの低い5歳から65歳未満の人が対象となっています。若くて健康な人であれば、ワクチン接種によって発熱などの副作用を伴うこともありますから、副作用に対して各自考慮のうえ、接種を受けることが望ましいとされています。

<夏休みを前にした5類移行後における感染対策>

過度な対策を行う必要はありませんが、(健康上の)弱者を感染から守ることは引き続き大切なことです。仮に夏休みの帰省として、高齢の方に会う機会があるとすれば、帰省前に感染リスクの高い行動が出来るだけ避け、状況に応じて、「マスクの着用」・「3密の会議」・「換気」・「手洗い(手指消毒)」など、適切な感染対策を行ってください。

ワクチン接種の予約などの相談は、お住まいの市町村、また、ワクチンに関する質問は以下のコールセンターで受け付けています。
厚生労働省・新型コロナワクチンコールセンター
0120-761-770(フリーダイヤル)
受付時間:毎日午前9時00分~午後9時00分まで

取材協力:
長崎大学病院
長崎県長崎市坂本1丁目7番1号
TEL 095-819-7200(代表)
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