北海道テレビ:HTB online 医TV

2023年06月26日 0時00分

著者名:HTB医pedia編集部

感染法上新型コロナが「5類」に移行して ③「5類」移行後のワクチン接種

  

<今回のテーマ>

「医TV」は3回シリーズで、感染法上5類に移行した「新型コロナ感染症」についてスポットをあて、大阪大学大学院医学系研究科感染制御医学講座の忽那賢志先生にお話しを伺います。第3回は、感染法上5類移行後のワクチン接種について、忽那先生に解説して頂きます。

<ウイルスの変異による影響と日本で感染を広げる変異株>

新型コロナは分類上、季節性インフルエンザと同じ「5類」の感染症となりましたが、新型コロナは新たな変異株が出てくると、また大きな流行が起きる可能性があり、変異を繰り返すことで、感染性が強くなったり、重症度が変化したり、ワクチンの効果も変化が見られることが分かってきています。2023年4月に発表された東京都が行ったゲノム解析の報告によると、日本も諸外国と同じように、オミクロン株による新型コロナの感染者のうち、XBB系統といわれる変異株がBA.5系に代わって主流になってきています。

<現在、接種が行われているワクチンの効果>

新型コロナに対するワクチンは、従来株からオミクロン株に変異する過程で、ワクチンの標的となる突起部分(スパイク)も大きく変異しましたので、現在、接種が行われているワクチンは、従来株とオミクロン株のいずれにも作用し、感染や発症、重症化の予防が期待できるオミクロン株対応ワクチンとなっています。但し、オミクロン株対応ワクチンであっても、接種後、時間の経過とともに、その効果は低下していきます。

<国が接種を勧奨する対象>

国は重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患がある方に対しては、年2回のワクチンの接種が望ましいとしています。(ワクチンの接種には副反応などを伴うことがあります)

<5類移行後のワクチン接種>

2023年度は公費負担により無償でワクチン接種を受けられます。今年5月に既に接種が始まっているワクチン接種の対象は、「重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患のある方」、「医療関係者」や「高齢者施設に勤務する方」で、接種6ヶ月後に2回目の接種を受けられます。また、9月に開始が予定されているワクチン接種は、「重症化リスクの無い5歳~65歳未満の方」が対象で、1回のみの接種となっています。(ワクチンの接種には副反応などを伴うことがあります)


新型コロナに対応するワクチンを接種しても、発症を完全に予防できるわけではありません。また、新しい変異株の出現によって、ワクチンの効果も変化する可能性があります。
状況に応じて、「マスクの着用」・「3密の会議」・「換気」・「手洗い(手指消毒)」など、適切な感染対策を行ってください。

ワクチン接種の予約などの相談は、お住まいの市町村、また、ワクチンに関する質問は以下のコールセンターで受け付けています。
厚生労働省・新型コロナワクチンコールセンター
0120-761-770(フリーダイヤル)
受付時間:毎日午前9時00分~午後9時00分まで

取材協力:
大阪大学大学院 医学系研究科・医学部
大阪府吹田市山田丘2番2号
TEL  06-6879-5111
https://www.med.osaka-u.ac.jp/