北海道テレビ:HTB online 医TV

2021年09月21日10時41分

著者名:HTB医pedia編集部

夏に注意すべき皮膚の病気②「あせも(汗疹)」 ひつじがおか皮ふ科クリニック

  

<今回のテーマ>

今回の「医TV」も前回に引き続き、夏に注意すべき皮膚の病気にスポットをあてます。第2回目の今回は、子供からお年寄りまで誰もが罹ったことのある「あせも(汗疹)」について、「ひつじがおか皮ふ科クリニック」の院長、萩原千也さんにお話を伺います。

<汗の役割とあせも(汗疹)>

夏は気温、湿度ともに高くなりますので当然体温も高くなります。そこで体温の上昇を抑えるために、汗が出て、汗の水分が皮膚の上で蒸発することで熱が奪われ体温が低下します。
「あせも(汗疹)」は、体中にある汗の管、「汗腺」の閉塞する部位によって、大きく3つの種類に分けられます。「水溶様汗疹」は、汗が角層内に溜まり汗腺が詰まる「あせも(汗疹)」で、皮膚に小さく透明な水疱を形成しますが、直径数ミリ程度のため、かゆみや赤みを伴わず数日で自然に治ります。しかし、「紅色汗疹」は、汗が表皮内に溜まり、閉塞した汗腺周辺に炎症が起こり、強いかゆみを伴います。更に、汗が真皮内に溜まると、「深在性汗疹」といって、かゆみは無いものの、皮膚が白く盛り上がる症状が起こり、体温調整機能が低下するリスクが生じます。

<あせも(汗疹)ができやすい場所>

「あせも(汗疹)」は全身のどこにも出る可能性が有りますが、脇、脚の付け根(股)、お尻、女性であれば胸の下など皮膚と皮膚が接触する場所や、腕時計やネックレスなどの金属と皮膚が接触する場所、また、ベルトや下着、靴下などで皮膚を圧迫している場所は、汗が溜まりやすいので「あせも(汗疹)」ができやすい場所になります。

<あせも(汗疹)を掻き続けることで起こる二次的な病気>

あせも(汗疹)でかゆみがある場合、そのかゆみを掻き続けると湿疹化して小さな傷をつくり、その傷から細菌などに感染する二次的な病気、「とびひ(伝染性膿痂疹)」・「白癬」などを招くリスクが高まりますので注意してください。

<あせも(汗疹)の対策>

あせも(汗疹)の対策としては、「汗をかかないような環境を整えること」・「汗をかいたら、こまめに汗を拭きとり、着替えること」・「シャワーなどで汗を流し皮膚を清潔に保つこと」が大切です。しかし、「あせも(汗疹)」によって、かゆみが出てしまった場合には、市販のステロイド外用剤の塗布や、抗アレルギー剤を内服するようにしましょう。(薬を使用しても症状が改善しない場合には皮膚科を受診してください)

取材協力:
ひつじがおか皮ふ科クリニック
札幌市豊平区月寒東1条19丁目
TEL 011-851‐1207
https://hitsujigaoka-derma.com/