北海道テレビ:HTB online 医TV

2022年09月12日14時43分

著者名:HTB医pedia編集部

第7波の新型コロナウイルス感染が高止まりを続ける中で② 医療用抗原検査キットによる自己診断と市販解熱剤の使用

  

<今回のテーマ>

最近では若干の減少傾向が見られるようになりましたが、新型コロナウイルスの感染は高止まりの状態を継続しています。そこで今回の「医TV」は前回に引き続き、新型コロナウイルスに感染したかもしれないと思ったときの対応のうち、医療用抗原検査キットによる自己診断と、市販されている解熱剤の使用について解説します。

<新型コロナウイルスに感染したかもしれないと思った時の対応とは>

新型コロナウイルス感染が高止まりを続ける中で、関係する4学会(日本感染症学会・日本救急医学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本臨床救急医学会)は、限りある医療資源を有効に活用するために、医療機関の受診、救急車の利用について、2022年8月に声明を発表しました。この声明によりますと、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合、呼吸異常などがあるような重症の場合を除き、症状が軽い方で重症化リスクの無い場合はあわてて検査や受診する必要はなく、自宅での「医療用抗原検査キット」による自己診断や、市販の解熱剤の使用を推奨しています。

<軽症で重症化リスクの無い方への診断>

新型コロナウイルスの感染に対して、第6波までは医師が診断するというプロセスを経ていましたが、第7波となった現在では、軽症で重症化リスクの無い方に対しては、厚生労働省が承認した「医療用抗原検査キット」を自宅で使用して、「陽性」「陰性」のいずれかを確認するということが基準となりつつあります。「医療用抗原検査キット」による自己診断で「陽性」と判定された場合、(地域によって登録方法は異なりますが)「陽性者登録センター」のホームページに自身の情報を登録し、かかりつけ医の連絡のうえ、その指示に従って対応する、という所定の手続きを行う必要があります。

<軽症で重症化リスクの無い方の市販薬の使用>

市販薬は何らかの症状が出たときに、その症状を緩和させるために使用するものですが、発熱の症状が出た場合であれば、「アセトアミノフェン」を成分とする解熱剤を使用することが、一番安全性が高く、小児や妊婦にも使用可能となっています。なお、新型コロナウイルスの第7波による感染拡大によって「アセトアミノフェン」を成分とした解熱剤は品薄状態となっていますので、小児や妊婦以外の患者であれば、「ロキソプロフェン」や「ジクロフェナク」などを成分とした、他の解熱剤も推奨されています。

<自宅療養で不安などがある場合には>

新型コロナウイルスの感染が疑われる方や、実際に感染したと診断された方の中には、一人暮らしの方や、軽症と判断されても症状が辛いなど、自宅療養中に様々な不安を抱えている場合も多いと思います。そのような場合は遠慮せずに、かかりつけ医への相談や、札幌市など自治体が開設している相談窓口(#7119)に連絡してください。

取材協力:
北海道家庭医療学センター 栄町ファミリークリニック
札幌市東区北41条東15丁目1番18号
TEL 011-723-8633
https://sakaemachi-fc.hcfm.jp/