水曜どうでしょう祭 UNITE 2013 水曜どうでしょう祭 UNITE 2013

SPECIAL(スペシャル)

匠の技を見学

竹巧彩

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以前、ぼくと藤村くんが遥々九州まで旅をして、物凄い手間と情熱を掛けまくって作られていく「水曜どうでしょう竹札」の製作工程を丹念に丹念に写真に納めて皆様にご紹介いたしましたあの大分臼杵の竹巧彩さんが、今回の祭のために竹の節を巧みに活用した貯金箱を持って祭会場にやってきます。もちろん水曜どうでしょうバージョンでございます。コインを入れたが最後、取り出す方法は貯金箱を壊すしか無い!という強情一途な仕上がりとなっておりますので、意思の強い弱いに関係なく貯金ができます!
では、もう一度、恐るべき手間と熱意で物作りに挑む竹巧彩さんの竹札作りをここでもう一度見ていただきましょう。こんな人が作っている竹の貯金箱であります!

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はい。既にここは大分県臼杵市にあります
竹細工職人・毛利健一さんの工房です。

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お、やって来ました。うちの藤村さんであります。

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今、藤村さんが、さっそうと毛利さんの工房に

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「たのもう!」と、入って行きました。

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おや藤村さん。この頃ずいぶんお髭に白いものが…
少年老い易く学成り難し。生きている間が花なのね…まぁいいか。

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さぁ工房に入りますと典雅に竹の水差しでありますよ。

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壁には達筆な字で「竹 の 手 に と」
いやいや「竹の手しごと」と、大書された額が掲げてございます。

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思わず感じ入る藤村先生。

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さぁこちらが竹細工職人の毛利健一さんであります。

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そして、毛利さんが持つ、やけにそそり立つ男らしい竹。

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思わず見上げる藤村さん。「これは太い」。

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毛利さん、このそそり立つ竹を、いきなり電動の丸鋸で切ってしまいます。

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堅い竹にあっさり刃が入りますと。

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切れました!次に毛利さんは節も落とす。

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チュイーン。落ちました。そしてさらに節を落とす。

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あっという間に、あれほど男らしくそそり立っていた竹も三等分であります。

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「これを今度はどうする…」探究心の強い藤村先生、この先が気になります。

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一方、こちらは水槽の水風呂に浸かった竹であります。

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「なるほど、このお風呂に入るサイズに竹をカットしたのね」藤村さんご納得。

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このようにして4~5時間ほど水に浸けておくと竹の表面もそれなりに柔らかくなる。

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「こうしとくと作業しやすくなるんよ」と毛利さん。

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さて、ここから磨きの工程です。毛利さん、なにやらトラ模様の竹を持ってきて。

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これに先ほどの水に浸けこんでいた竹をはめ込むと。

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このように柱に食い込ませて右足でもって竹の下部を押さえつける。男らしい!

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そこへ取り出しましたる磨き包丁。ま、カンナみたいなものですね。

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これでもって竹の表面のつるつるした皮をはがしていくという。

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さぁ、このように「しゅっ!しゅっ!」と好い音をさせながら表面を削っていく。

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はい。角度を変えて見てみましょう。

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おぉ。毛利さんの後ろにはうちの藤村さんが仁王立ちで厳しい目を注いでいる。

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毛利さん、そんな視線は気にもせず、磨き包丁を上げては

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おろして

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上げては

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おろして

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その度に気持ちの好い音をさせながら毛利さんは薄く皮を削いでいく。

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足元には、このように竹のカンナ屑が

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ほら。このように。

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削った部分をアップで見ましょう。
光沢の無くなった削った部分とまだ削る前のつるつるの部分

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右のつるつるのままにしておくと漆も弾いてしまうのだそうです。
だから左のように削って漆が乗るようにする。

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削れば確かに竹札の表面と同じ色。

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おおっと、畏れを知らない藤村さんが磨き包丁を奪い取ったぞ!

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おお!そうしてぇ!自分も磨こうというのか!

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しゅっしゅっと音がするぞ!

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上げて

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おろして

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しているぞ。

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あら、それなりに削れているように見えますねぇ。

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はい。こちらは毛利さんの手によりまして
真っ白に磨き削り上げられました竹です。実に美しい!

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「この太いやつが、こんな小さな竹札になっていくんですねぇ」と
藤村さんが分かりやすい演出を入れていきます。

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おおっと毛利さんが、すかさずこの竹に刃を立てたぞ!
やや!これはどうした!と、すかさず、うちの藤村さんの目が光る!

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さぁ毛利さん。いよいよこの竹を割っていこうというのか!

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ちょっとカメラ引きます。

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おおっと!ぺりぺりっという音がしたかと思えば

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見る間に竹がまっ二つに割れてしまったぞ!これはなんという早わざだ!

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ほら。ぱかっという感じ。こんなに綺麗に割れちゃったぞ!
気持ちが好いぞ!毛利さんも笑っちゃうくらいだぞ!

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そうしましたら毛利さんは、この後も

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また刃を立てて

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半分をまた半分に

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そのまた半分をまた半分に

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そのまた半分の半分をまた半分に!と
なんだか目にも留まらぬ早業で割り続け

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気がつくと竹は12分割されていたのでございます。

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これがこうなりましたとうちの藤村さんの分かりやすい演出が入ります。

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すると毛利さん、またぺりぺりと気持ち良い音をさせ
今度は竹の内側の柔らかい身の部分をはがしていく。

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堅い竹の皮と合体している柔らかい竹の身の部分を剥ぎ取って
竹は身と皮に泣き別れであります。

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「みなさん、使うのはこの堅い皮の部分だけ。
使い物にならない、やわい竹の身は剥がして捨てますさ」と藤村さん。

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なるほど。これは確かに竹札の感じだぞ!

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「はい。完成間近でしょう」と藤村さん。

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ところが毛利さん!今度は細く割った竹のサイドに小刀を入れて面取りを始めました。

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ものすごい丁寧さ。そして当然ながら気持ちの好いくらいのものすごい早業で

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次から次に面取りをして丸みを出していきます。

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「ほれ、屑なんか、こんなに細かいんですよ」と削りかすを見せ
分かりやすい演出を入れていく藤村さん。

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いやぁ、これは既に竹札の感じじゃないですか。

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出ました!いよいよ竹札のサイズにカットしていきますよ!

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えぇ、こうして、揃えて

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ここへ電動のこぎりでもって

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ウィーンつってやると

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カットしました。切れてますね。

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もう一度きれいに

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揃えて

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カットした!

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はいはい、バラバラと出来上がっていきますよ。

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後は、この切り揃えた奴に、こーんな穴をあければ出来上がりでしょう!

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おぉっと!やはりドリルの登場だ!

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やはり穴をあけるぞ!

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あっという間に穴があいたぞ!

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あきました。

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しかしどーだ!いいか!よく見てみろ!
左の完成品の穴と穴の感じがいまひとつ違うじゃないか!

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いいか!上が完成品の穴で、下が今あけた穴だ!
なんか違うぞ!

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するとぉ?手前にまたしてもドリルの刃が登場した!
奥に見えるさっきの刃より刃の径が大きいぞ!

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そこへ!さっき穴をあけた竹札を持ってきた!

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そして?なんだ?やけに微妙な手加減でドリルを降ろしているぞ!

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さぁ、どうだ!何が違う!左右を見比べてみろ!
そうだ!穴が二重というか二段になってるんだ!

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つまりです。

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ただ穴をあけただけでは、この穴に通したひもが穴の角で擦れて切れやすい。

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だからもう一回、ひと回り大きな穴を削ると、ほら、
穴が段々の二段になる分だけ穴の角の鋭角が取れるわけです。

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「こうすれば穴に通すひもが切れにくくなるんですよ。分かりますぅ?」と藤村さん。

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「よし。じゃぁ次は、小さく切りそろえた竹の札を磨く工程ですぞ」と藤村さん。

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さぁ、毛利さんが小さい竹札を持ちました!

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そうして?今、辛気臭そうな磨きの作業を一枚一枚丁寧にやっていく!

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角という角を

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高速回転するサンドペーパーに押し当てて

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ほら、見てるとわかる、どんどん丸みを帯びて
好い感じの風合いが醸し出されていくでしょう。

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「どれどれ」藤村さんの厳しい目が注がれます。

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お。確かに角が取れて感じの好い風合いになってるじゃないか。

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さぁ思い出してください。あんなに太く、そそり立っていた竹が

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こんなに感じよい丸みで小さく分割されたのです。

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「むむ!」っと!これには藤村さんも驚愕のようすを隠さないぞ!

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おおっと!ずいぶん研磨しましたなぁ。どっさりの竹札です。

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もうもう、なんだか笑っちゃうくらいの竹札の量であります。
毛利さん、これ全部一枚一枚丁寧に磨きました、これは大変。

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堅い竹の材質だから、手にとってバラバラこぼすと、
ジャラジャラ鳴ってなんだか大判小判がザックザクみたいです。

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思わず藤村さんも反射的にお約束の悪代官の演出で、
「越後屋!おまえも、悪…」まぁいいか。

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さぁ、続いては、竹札の表面に漆を馴染ませる工程です。
いやぁたかが竹札。ですがその工程、なかなか終わらない模様です。

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さぁ、毛利さんがチューブを絞って生漆を搾り出していく。

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「漆に弱い人は近くにいるだけでカブレるんよね」と毛利さん。

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「カブレる」という言葉にビビる藤村さん。

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毛利さんは手袋をはめ

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ヘラでもって漆を捏ね回し始めます。

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「漆の飛沫がついたらカブレるよ」

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「か…かぶれる…」

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はい、ここで。毛利さんは漆の中へ先ほどの
竹札をジャラジャラと撒いて

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このように竹札の表面に
まんべんなく漆をからめていく

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どうですか、みなさん。

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なんだか、だんだんとミルクチョコレートに見えてきませんか。

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お菓子屋さん行くとこういう光景ありますよね。

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「確かにうまそうだなぁ」と見下ろす藤村さんですが、
なんとな~く先ほどより漆から若干の距離をとっております。

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「あんたら、いつの間にそげん離れたん?」

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さて、竹札の表面に漆を馴染ませると今度は余分な漆を拭き落します。

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ひたすら丁寧に丁寧にこすり合わせて
余分な漆を拭き落していく。

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こうして漆を拭き落した竹札は別のコンテナへ

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ジャラジャラっと入れまして

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更にまた丁寧に拭きあげていく

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すると、どうですか、なんだか香ばしい匂いがしてきそうな色合いです。

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「うーん、確かにこれはあれだな あられだな」

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なるほど、醤油の味の利いたあられです。

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「美味そうだなぁ。食えねぇかなぁ」

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食えませんな。

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はい。拭きあげるとこのように好い感じの光沢です。
ほら見比べてください、漆の光沢。

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「いや、素晴らしい」。漆にもカブレず、満足げな藤村さんであります。

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こうして、日本の職人の丹念をいとわぬ手仕事の確かさに敬服した藤村さんは、感謝をこめ、毛利さんと固い握手をし大分を後にするのでした。


いかがでしたか。怖ろしいほどの丁寧さと手間の果てにやっと完成を見る竹巧彩・毛利さんの竹の手仕事。この毛利さんが作る竹の貯金箱でございます。ぜひ、ブースで手にとってご覧くださいませ!

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