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2015年2月14日(土)あさ6時30分放送 ふるさとを看取る ~ダムに沈む大夕張~

  • ふるさとを看取る ~ダムに沈む大夕張~
  • 【内容】
    人々が生活を営み世代が紡がれて"ふるさと"は生き続ける。しかし現在の日本では過疎化や少子高齢化の問題が深刻化し限界集落と呼ばれる場所がいくつも発生している。コミュニティとしての機能を失い、消えゆくマチ。しかしそこにはあたたかい人情があった...。
    2015年3月に運用が始まる夕張シューパロダムは総貯水量全国4位、ダム湖の面積全国2位の巨大ダムだ。広がるダム湖により、かつて炭鉱で賑わった'大夕張'と呼ばれる鹿島地区、多くの観光客に愛された貴重な産業遺産「三弦橋」もダム湖に沈んだ。
    隣町へ移転した寺の住職は「大夕張の供養をしてくれと言われている気がする」と語るが、大夕張を知る人が減っていくなかでいつまでふるさとを供養できるのだろうかと不安を口にする。
    巨大なダムは乱暴に人々からふるさとを奪ったわけではない。エネルギー政策の転換で石炭景気に沸いた炭鉱マチの活気は奪われ、多くの人々はマチの行く末に限界を感じていたのだ。住人が去り、湖の底に沈んでしまったふるさとの記憶はいつまで紡がれるのか...。夕張岳のふもとで静かに水をたたえるシューパロ湖。湖面に色濃く染まった紅葉が映る景色は美しいが、そこにかつてのふるさとの姿をみることはできない。
    1997年にHTBが放送した映像には豊かな夕張の自然を享受しながら季節を過ごし、移転前に顔馴染みが集まり、地元大夕張の酒を酌み交わしながらふるさとを偲ぶ住民の様子が残っていた。そのうちの一人、居酒屋店主の高橋孝さんを密着取材。2013年夏、高橋さんに案内してもらった水没前のふるさとの景色、そして過去の記憶と今の思いとは...。