番組向上への取組

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あなたとHTB

このページは平成30年6月24日放送分から引用しています。

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森・佐藤両アナウンサー

佐藤良諭アナウンサー

おはようございます
「あなたとHTB」の時間です
「あなたとHTB」は視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送のあり方を目指すための番組です

森さやかアナウンサー

今回は今年4月と5月に開催しました
第503回第504回の放送番組審議会で審議されました 
「嘘塗りの骨~アイヌ人骨返還問題の悲痛~」と
「涙を笑顔に変える場所~ジャンパー
伊藤有希の挑戦~」についてお伝えします

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テレメンタリ―2018
「嘘塗りの骨~アイヌ人骨返還問題の悲痛~」

佐藤アナウンサー

最初にテレメンタリ―2018
「嘘塗りの骨~アイヌ人骨返還問題の悲痛~」です

150年前開拓民の入植とともに
先住民族アイヌに対する差別の歴史が始まり
研究目的として遺骨までが掘り返されました
いまもおよそ1600体が全国の大学に眠ったままです
番組は遺骨の返還を求めるアイヌの声が
国に届かない現状を伝えます

森アナウンサー

この番組に対して 番組審議会・委員から頂いた
ご意見の中から まずは評価点を紹介します

《評価点》
●アイヌの方々の人骨が 学術研究目的で
掘り返されたことを知らなかった
しかも海外にまで持ち出されたとは
そうした事実を知らせるということは
マスメディアとして 大切な意義だ

●遺骨返還訴訟の
詳細な経緯を知ることができた
また アイヌ民族の部落それぞれの方の
表情や言葉に触れられたことに満足した

佐藤アナウンサー

●人権にもかかわることについては
いろいろな角度からの見方もでき
評価が非常に分かれ
万人が良いということはないので
大変チャレンジングな取り組みだと
評価したい

●過去のある時点で強く推奨
推進されていた研究や政策が
今日から見て
明らかに人権上の問題があるとなったとき
そうした過去にどのように向き合うべきか
問い掛けているように思えた

●不吉な音楽と どんよりと黒ずんだ
水滴の図柄で始まる演出に不信感を覚えたが
事実関係を時系列で整理して
伝えることには成功していた

●アイヌをことさらに
社会的弱者としない姿勢があるように感じた
アイヌが社会的弱者であろうとなかろうと
大学や国の対応は理不尽だ

●山梨大学医学部の研究者が
いかにも確信のない眼をしながら
「遺骨は江戸期のもの」と答えるあたりは
非常にリアルで 直接取材ならではだ
続いて 札医大に 時代特定の資料がないことが
明かされる流れも 非常にわかりやすかった

●札医大に根拠を文書で問いただし
お粗末な遺骨の管理の実態をあぶり出す
まさに調査報道 この部分がなければ
番組の印象は大きく異なったものになっていた

●アイヌの人たちが裁判を通じて
頭だけではなく 全身の骨を返すよう求めている
そこにアイヌの死生観が色濃く反映していることを
アイヌ語のナレーションと 裁判を起こした
川村兼一さんの言葉でくっきりと描いていた

●白老町にできる「民族共生のための象徴空間」に
全国の大学に残る遺骨を集めるという国の方針に
アイヌの人々が強く反発する理由もこれで腑に落ちた

●フランスなどもやはり同じように
アフリカ人が白人と同じ人間ではないと信じ
遺骨を調べていた時代があった
背景が全く違うが ユダヤ人などで研究していた
ナチスのことを一瞬思い出させた

森アナウンサー

ここまでは番組に対する委員の評価点
をお伝えしてきましたこのあとは番組に対して頂いた
改善、要望点と提言をご紹介します

≪改善点 要望点≫
▲「嘘塗りの骨」とまでタイトルに冠するのなら 
ウソの本質や ウソとされる側の理屈に
迫らなければならないはずだ

▲タイトルである『嘘塗りの骨』とも関連して
確かに過去 「嘘」が多く存在したことは事実だ
しかし今回の番組内容では 少なくとも
明示的な「嘘」は取り上げられていないと思う
したがって「看板に偽りあり」の感が拭えない

▲題名の場面が ホラー映画でも始まるのかと
思うくらい怖かった

▲明治政府の政策により アイヌの方々の
同化政策がしかれたとあるが
この政策とアイヌの方々の人骨研究が始まることとの
関係があまり理解できなかった

▲そもそもなぜ 明治から昭和の半ばにかけて
アイヌの医学的研究が熱心に行われたのかという
大前提が抜け落ちている

▲いかんせん北大側の主張が
きちんと取材できていないため
骨が遺族である土橋さんの元に
どうして戻らないのかの真相は謎のままだ
土橋さんが悲しみから涙するシーンには
気持ちが揺さぶられるが
感情的な描写だけでは
結局 何も明らかにならない

佐藤アナウンサー

▲アイヌ側に立っていることが明確すぎる
もう少し冷静な内容でもよかったのではないか

▲北大関係者や内閣官房アイヌ総合政策室から
聞き出すことができれば
どこに問題点があり どうすれば裁判をしない
解決の道があるかが明確になったと思う

▲世間の耳目を集めるという点では
悪者がはっきりする方がよいのかもしれない
しかし 弱者と悪者という単純な構図であるがゆえ
多面的な議論のきっかけを提供するという点では
必ずしも成功していない

▲何故こんなにも頑なに謝らないのか
北大や国側のこうした態度に対する分析や解説を
この番組で施すことはできなかったのか

▲「またふるさとから遺骨が持ち去られていきます」
というナレーションと暗いトーンのBGMには
「北大が またアイヌの気持ちを考えずに
身勝手なことをしている」と暗示させる恣意性を感じる


≪提言≫

☆北海道150年記念事業が行われ
無理やりアイヌのことを取り上げる風潮に
どこか胡散臭さ感じるが
無理をしてでも
ある種の姿勢を示さなければ
アイヌの和人に対する不信は払拭されない

☆アイヌと一緒に生きる北海道で
お互い民族を代表したり
国家や組織を背負ったりせずに
個人として付き合うことができると思うので
今後の報道にも期待する

森アナウンサー

ここからはHTBノンフィクション
「涙を笑顔に変える場所~ジャンパー伊藤有希の挑戦~」
ついての委員のご意見を紹介します

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HTBノンフィクション
「涙を笑顔に変える場所~ジャンパー伊藤有希の挑戦~」

佐藤アナウンサー

9位に終わったピョンチャンオリンピック
悔しさがこみ上げるなかで
日本女子初のメダルを獲得した髙梨沙羅選手を
伊藤有希選手は真っ先に抱きしめました
番組では伊藤選手が重ねてきた努力の軌跡と
夢舞台への挑戦そこに秘められた思いに迫りました

森アナウンサー

それではこの番組に対する委員のご意見の中から
最初に評価点をご紹介します


≪評価点≫
●カメラに向かって謝る彼女を見て
「謝らなくていい!」と涙し
そして伊藤選手が高梨選手に抱き着いて涙し
大倉山で優勝してスッキリするという
心地よいカタルシスを味わうことができた

●見終わった後とても心が温かくなる
とても気持ちの良いすがすがしい番組
伊藤選手に注目した番組ということに好感

●番組を見進めていくうち伊藤有希という
女性がだんだん魅力的に見えてきた
作り手の伊藤選手に対する暖かな眼差しも
感じられて気持ちがほっこりとした

●男子と同じメニューをこなす
負けない根性と努力 能力を併せ持った
優れた選手であることに驚いた
高梨選手の隣にいる選手としか見ていなかった
伊藤選手を主人公に据えたこの番組を見て
今後は競技自体の見方も変わりそうだ

●勇気と元気がもらえる
間違いなく伊藤選手のことが好きになれる
とても素敵な番組だった

佐藤アナウンサー

●北海道のテレビ局だからこそ扱えた
素材が満載で
沖縄まで取材に行かなければならないという
不利もあったが
豊富な映像資料とコメントの数々に
裏打ちされた安定した番組だ

●小学生が楽しそうに飛ぶ映像は
いつも魅力的で
下川町の際立った地域性を感じて
楽しくなる

●北海道の小さな町で生まれ育っても
オリンピック選手になれるということは
すごく勇気を与えてくれる
地方にいるから田舎にいるからと
言い訳しない厳しさや強さも感じた

●今回伊藤選手自身の
とてつもなく絶え間ない努力があって
オリンピックでの高梨選手との抱擁が
あったのだと思い涙した

●高梨の表彰台の直後のシーンで
伊藤が空に視線を移すシーンが
とても美しくて一時停止して見入った

森アナウンサー

ここまでは評価点をお伝えしました
このあとは委員のご意見の中から
改善、要望点と提言をご紹介します

《改善点 要望点》
▲高梨選手に誰よりも先に駆け寄って
抱きしめていた伊藤有希選手
番組の冒頭は 私の興味を引くものだったが
その後の内容に心を動かされるものは少なかった

▲番組のタイトル「涙を笑顔に変える場所」の
「場所」は何を示しているのか
はっきりしないままで番組が終わった
結局「涙 笑顔と挑戦」
つまり 日本のスポーツ番組のキーワードを
無理やりにタイトルに入れた気がした

▲伊藤有希選手が何に「感謝」しているのか
いま一つぼんやりしているように思えた
具体的な場面で構成してほしかった
それがないと「感謝」という
たいへん耳障りがいいけれども
一方で手垢がついてしまっている言葉だけが
上滑りしてしまう

佐藤アナウンサー

▲選手が自分の内面と向き合うような
シーンが欲しかった

▲スランプの部分の表情 落ち込んだり
人の悪口を言ったり ちょっとさぼって見せたり
高梨選手にちょっとジェラシーを感じて無視したり
そんな場面は本当になかったのか疑問だ

▲ストイックで頑張り屋の立派なアスリート
という人物像ではあまりにも予定調和的だ
厳しい言い方をすれば
人物の描き方としては非常に平板だ


《提言》

スキージャンプは地域性を帯びた競技で
競技人口も限られるだけに
ファンを増やす機会なので もっと驚くような
ポイントを強く打ち出して欲しい

森アナウンサー

☆多くの視聴者がこれまで知らなかった
ような一面を掘り下げて提示してほしい
視聴者の予測や期待を大胆に裏切り
覆すような番組こそ見てみたい

森アナウンサー

「あなたとHTB」次回の放送は
6月と7月に開催される
第505回と第506回放送番組審議会における
委員の皆さんのご意見を紹介いたします
8月26日(日)午前5時35分から放送です


過去の放送より


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