番組向上への取組

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あなたとHTB

このページは平成26年4月27日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

森さやかアナ

4月。札幌市内の小学校で、新一年生が初めての給食を食べました。初日のメニューはシチューやウィンナーを挟んだパン。子供たちの嬉しそうな声が響きました。

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新一年生 初めての給食 4月11日 札幌市立南郷小学校

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

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森・遠藤両アナ

森アナ

4月から「あなたとHTB」を担当いたしますアナウンサーの森さやかです。どうぞ宜しくお願いいたします。冒頭でお伝えしたのは、今月11日の「イチオシ!」でお伝えした小学校新一年生の初めての給食の模様です。

遠藤アナ

4月は始まりの季節。社会人一年生の姿も街で多く見かけますね。
春本番と言ったところでしょうか。

きょうの「あなたとHTB」、最初は2月22日の第461回放送番組審議会で審議いたしましたテレメンタリー2014「ひと口の怖さ~食物アレルギーと闘う子供たち~」についてです。

森アナ

小麦や卵、牛乳など食物アレルギーを持つ子供たちは全国で45万人いるとされています。一昨年の12月に東京・調布市で起こった給食での誤食事故では、当時小学校5年生の児童が発症後極めて短い時間のうちに全身に強いアレルギー症状が広がるアナフィラキシーショックで亡くなっています。札幌市でも、去年4月からの10カ月で学校給食での食物アレルギーの誤食事故は16件起きていて、中にはアナフィラキシーショックで呼吸困難になった児童もいました。「ひと口の怖さ」は、子供たちと食物アレルギーをめぐる問題を追ったドキュメンタリーです。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

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「ひと口の怖さ」

森アナ


◇食物アレルギーの本当の怖さと周囲の理解、そして協力の必要性を、不安に怯える子どもの姿と何とか克服させたいと願う母親の姿を中心にコンパクトに追求した質の高いドキュメンタリーだ。

◇オープニングで卵、ミルク、小麦粉の美味しそうな映像の直後に調布市誤食事故での小学校側の謝罪シーンを構成していた。その落差によって大きなインパクトを与え、事の重大さを見るものに訴えて引きこむ効果を与えていた。

◇食物アレルギーの危険さに強い衝撃を受けた。単に個人の努力だけでは解決できないと、見ているうちに意識が変わり、番組の巧みな構成にどんどん引き込まれていった。

◇高く評価したいポイントは3つある。第一は、取材対象に偏りがなく、多角的な視点から取材を行っていて問題を総合的に捉えることができた。第二は、調布市の事件の真相を違う角度から考えることができたこと。第三は、ご家族の協力を得て、アレルギーをおこす食べ物を実際に食べたらどうなるのか、取材映像で示し大変説得力があった。

◇凝縮した内容を正味25分の番組にまとめあげた制作スタッフの能力の高さに感服した。ドキュメンタリー番組の王道だと感じた。

◇「ひと口の怖さ」というタイトルは、生きるために必要不可欠な食べ物が怖いとはどういうことかを問いかけインパクトがあった。二人のお母さんでもある女優、戸田菜穂さんの語り口は、極めて重い問題をやさしく語りかけるようなナレーションだった。

◇番組を見終わって、身近な人たちと「食物アレルギーについて知っていますか」と話した。「多くの人々に食物アレルギーの現状、恐ろしさを知ってほしい」という番組の狙いは充分に果たされたのではないだろうか。

◇調布市の事件は、きちんと対応できていれば命を落とすことはなかったのではないかと今までは思っていた。しかし、番組を見て、現場の教師がどこまでアレルギーについての知識を持っているか、また各家庭での対応の違い。クラスの生徒たちの理解もまちまちな部分があることが分かって、問題の複雑さを理解することができた。

◇子供たちの「ごめんね」「僕何で治らないの?」「僕は治らない方なの?」という小さなつぶやきを取材でよく拾っていた。一口の怖さを知り、社会全体で守ってあげたいと痛切に感じる場面だった。

◇このようなテーマを扱うとき、ともすれば「責任ある者」を推定して、それを糾弾するような論調の番組を見受けることがある。しかし、この番組では、例えば安直に「担任教師の責任」に飛びつかなかったことは賢明で、冷静なまなざしで制作されていたと思う。

◇子ども同士が自然に「食べれる?」「だんだん分ってきたから大丈夫」などと会話するシーンに、子どもたちのコミュニティーの健全さを見た思いがした。一人一人皆違うからこそ相手の立場も考えなければならないという「個人の尊重」という概念を子どもたちがリアルに感じるきっかけになっているのではないだろうか。

遠藤アナ

◇単に家庭や学校現場だけに問題解決や事故の回避を委ねるのではなく、社会全体で取り組むことが必要だとあらためて感じた。鋭い問題提起を含む良い番組だった。

◇経口免疫療法により、卵アレルギーの子どもがだんだん食べる量を増やしていく。最後にフライドチキンを美味しそうに頬張り笑顔になるシーンは全体に救いを与えていた。

◇調布市の事故から1年以上が経つが、給食での誤食事故は後を絶たない。食物アレルギーを抱える子どもたちは増え続けていて、きちんとした対応が迫られている。「一口の怖さ」はそういう現実を浮き彫りにし、もう一度きちんと考えるきっかけになった。

◇細心の注意で給食に対処する児童、気をつけていたにも拘わらずアナフィラキシーをおこした児童らへの取材。学校での研修の必要性、経口免疫療法治療の難しさにも言及し、緻密な構成と過不足のない情報で視聴者にとって有益な番組だった。45万人もの食物アレルギー児童生徒がいることを広く訴える力のある秀作だった。

森アナ

一方、改善点・疑問点として

◆昔は、食物アレルギーに気づかずに過ごしていたのか、それとも現代の食生活のあり方に起因する新たな病気なのか。その点について情報が欲しかった。

◆経口免疫療法を自己流に行わないことを注意喚起するため、必ず医師の指示のもと行うようテロップを入れる必要があったのではないか。

◆秀逸なドキュメンタリーにもかかわらず、放送時間が週末の早朝であったことが残念だ。もっと多くの人々が視聴できる時間帯で放送、再放送されることを望みたい。

◆北海道だけでなく、全国的な取組み事例の紹介や、給食を作る側の試みや責任。また医療の現場ではどのように対処しているのか、幅広い実態を知りたいと思った。

遠藤アナ

また、今後の要望として、
人々の関心の高い食物アレルギーの治療や対処、社会への啓蒙など、続編を期待したい。30分では描ききれなかった情報も盛り込んで、アレルギー問題をさらに深く追求した番組制作を望みたい、というご意見を頂きました。

森アナ

これに対して、番組担当の濱中貴満プロデューサーと広瀬久美子ディレクターは以下の様に答えました。


◎この番組は、ニュースのシリーズ企画での継続取材をもとに作られた。ストレートニュースでは伝えきれないことも多く、意外性の掘り起しはテレビドキュメンタリーの使命だと思う。

◎食物アレルギーの児童は、誤食事故に備えてエピペンという注射型の緊急補助薬を学校に預けてはいるが、一刻を争う際に第三者が打てるのかという問題がある。

◎経口免疫療法はまだ限られた医療機関で行われている臨床段階の治療法。実施施設が限られているとテロップは表示したが、もっと丁寧に説明した方が良かったかもしれない。

◎一部の保育園では「卵と牛乳を一切献立から外す」という動きも出ていて、今後の行政の対策や国の動きも含め続編を制作したいと考えている。

森アナ

委員の皆さんから頂いたご意見は、今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

遠藤アナ

次に、3月27日に開催しました第462回放送番組審議会で審議いたしました、「世界の村で発見!こんなところに日本人」についてです。

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森アナ

この番組は、世界中の僻地に住む日本人に会い、「なぜこんなところに住んでいるのか?」を聞き出し、暮らしぶりやその方の人生や生き方をレポートする大阪・朝日放送制作の全国ネットバラエティです。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

森アナ

☆ふだん目に出来ない土地の風景や生活を垣間見ることができ、また同じ日本人が想像もつかないような生活の様子もとても興味深い。観光ではなかなか行けない土地の風習に触れ、そこでたくましく生きる日本人を誇らしく感じた。

☆フィンランドのラーヌヤルヴィという北極圏の村までたどりついたタレントの渡辺正行さんの苦労がよく描かれていた。特に氷のホテルに宿泊する様子をはさんだ構成は観光案内としても良かった。

☆セネガルに住む遠藤さんの「支援とは自立を促すきっかけづくりをそばで支えること」という言葉にとても共感した。土地の人々が遠藤さんを特別な日本人としてではなく、ともに暮らす仲間として接している様子が見てとれた。

☆二人の日本人の紹介はいずれもテンポよく、住んでいる理由や暮らしぶりを聞き出すというドキュメントバラエティー番組として楽しく視聴することができた。

☆タイトル通り、いつも「どうしてこんなところに日本人がいるのだろう」という驚きとともに見た。海外で活躍する日本人を、オリンピック選手同様に、日本人として誇りに思う。今回は、気温50度のセネガルとマイナス14度の極北の地に暮らす日本人を紹介していたが、地球の広さを実感する材料となった。

遠藤アナ

一方、改善点・疑問点として

◆番組のテーマが旅行なのか僻地に住む日本人の物語なのかはっきりしないのではないか。もし人間ドラマが狙いなら、相手に会うまでの旅行の部分は長過ぎだし、その人の物語も意外性がなく内容は薄いと思う。

◆取材相手を一人に絞り、番組の企画趣旨である「こんなところにどうして日本人が」を深く掘り下げて、「日本人で良かった」「日本人はいいな」と思わせる番組であってほしい。スタジオゲストとの会話とタレントの旅行記に費やされ、番組の狙いから見ればずいぶん的外れな内容になってはいないだろうか。

◆夢の大切さ、家族のありがたさ、自分の幸せを見つめなおすという番組の企画意図は充分に達成されているとは言えない。特に後半のセネガル篇はお笑いの色が強く、ボケとツッコミ的なやりとりに終始していた。周囲の人々とのコミュニケーションや日常生活、現地での評判、生活習慣などをもっと紹介することができれば、奥深い本音の部分がくみ取れたのではないか。

森アナ

委員の皆さんから頂いたご意見は、今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

遠藤アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は6月22日(日)午前5時5分からです。



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