ここは中国。この人は藤村さん。

藤村さんが見上げてますのは中国の工場。
ということで。
今日はバンプレストさんの「一番くじ」
水曜どうでしょうバージョンの景品、
藤やん犬のできあがるまでをご一緒に見学してまいりましょう。

はい！藤村さんのさげているこのOnちゃん。

なんでしょうね藤村さん…これ？
いやいや、なにしてるんですか…あなた？

あ！なるほど、ここにICカードを入れて。

駅の改札で“ピッ”とやれば！
Oｎちゃんパスケース！
なるほど！
でも藤村さん、今日の取材は「ぬいぐるみ藤やん犬の出来るまで」
ですからね。これではない。これも作ってるけど、これではない。

はい。藤村さん、これですよ。
本日は、この犬がどう出来上がっていくかをこれから
みなさんと共に見学していこうという趣向で
ございますよ。

おっと。さすがぬいぐるみ。布がいっぱいある。
これが材料の一部ですね。

そして、ここが第1現場です。
いったい何をしているのか？

ねぇ。彼ら、なにしてるんでしょうねぇ藤村さんここで。

ほら、なんか、ものすごく細かいカットをしてますよ。
しかもこれレーザーですよ。レーザー光線で布を
なんらかの形にカットしている。ほらほら、どんどん切れてく。

それで、切れたら、それを手作業で、どんどんはがしてますねぇ。
なんですこの黒いのは。

もしゃもしゃですよ。フエルトのもしゃもしゃ。

藤「う～ん。これは、わたしのヒゲの一部でしょうか？」
あ！ヒゲ！なるほどね！ヒゲっぽいですよね。

藤「そうでしょ。わたしのパーツで黒と言えば
ヒゲかメガネでしょう。でもこれはメガネではない」

たしかに、お手本のようなものと見比べて
いますね。上の面積の広いのが髪の毛でしょう
か。だったらこれはヒゲの一部ですね。

藤「ヒゲですよね？」
工員「ヒゲ　デス」
ほんとかよ。

やや藤村さん！藤やん犬が、ぐるんぐるんに回されてますよ！
藤「そうだねぇ、これは何をしているんだろう？」

えらい勢いで膨らんでますよ！あなた。藤村さん！

なんかね。藤やん犬に綿を入れてるんですけど、
水道のじゃぐちみたいに、あのノズルから
じゃんじゃか綿が流れてきてるんですよ！

藤「回してるねぇ！あれで均等に綿を入れるのは職人技だね」
ほんとですねぇ、みるみる膨らんでいきますね。

あれ？でもこの顔おかしくない？藤村さん。

ほら。この顔。

これ藤村さん。これ。あんたじゃないよ。

あ！これだ！こいつだよね。
え？なに？なんだろこの指名手配の写真。

お！いた！これですよね。

ミシンで。縫ってるんですよ。
この頃のご家庭では見なくなりましたよね、ミシン。
昔はおかあさんの嫁入り道具でしたよね。古すぎる話か…。

みなさん、なれたもんですね、ミシン。

それでこう縫いあがって、これを裏返すんだね…

するとこうなるんだ。あぁこの顔でしたよ、さっきの…あの、

綿入れの工程で見た不思議な顔ね。

藤「お。またまた、ここにも指名手配が下がってるねぇ」

あ！これ藤村さんだ。やっぱりヒゲあると分かる。
あれはヒゲの無い藤村さんだったんだね。

やっぱり、ヒゲは命。
藤「まったくね」

こうしている間にも、猛烈な速さでミシン掛けが進みます。

あぁこれ。これは藤やん犬が首に巻いてる唐草がらの風呂敷ですわ。
じゃんじゃか縫ってますねぇ！

おっと…。ここは…どこですか？
ほら、さっきのパスケースのOnちゃんがいっぱいいますよ。

藤「オレもいっぱいいるような気配がするんですよ…」
え？どこに、どこに？

藤「ほら。いた…奥にいるでしょ…」

藤「オレが、こんなにね。」

オレオレって…さっきから言ってますけどね？
この顔、似てませんよ…、あなたには。

藤「これが、だんだん、似て来るんだよ」

まったく似てないんだけどなぁ。

ヒゲとメガネが無いだけで、顔って、
こんなに変わるんですかねぇ？
藤「ま、そう言われてみれば、たしかにね」

メガネつけてますよ。

メガネは縫いつけるんですね。

でも、先生。メガネつけても似てないねぇ。

やっぱヒゲなんですねぇ。

藤「ヒゲなんだねぇ…」
ヒゲつけたとたん、あんたですもんねぇ。
藤「ほんとに、ね」

お！討論がはじまりましたよ。熱心なディスカッションです！
「やっぱり人形は顔が命なのよ」「わかってるわよ」
「ヒゲは位置が微妙なのよ」「知ってるわよ」
「ぬかりなくやるのよ」「やってるわよ」

いやもう活発な意見交換が続いております。
まちがっても揉めてるわけじゃないですよ。
全部、わたしがでっち上げてるんですから。

おや？この間に乗じて藤村さんに、なにやら怪しい動きが…。

あ！藤村さん！何してるのよあんた！

あんた！なにを作業中のパーツを抜いてるのよ？

あ！勝手なことを藤村さん！あなたなにしてるんですか！
ここは会社ですよ！

あ！書いちゃってあんた！なんてことしてるのよ？

ややっ！自分のサイン書きやがった！
どうするのよあんた！これ！

あ！だまってまた元に戻してる！中国のみなさ～ん！
あの人が勝手なまねをしてますよ～！
う～む、ここでは日本語が誰にも通じない。

あ～あぁ。4本も書いちゃってるよあの人。
これじゃぁもう、勝手に流通に乗っちゃうよ。
ということでね、
見事「藤やん犬」を一番くじで引き当てたあなた。
首のところをよ～く見たら、ひょっとするとそこには藤村さんのサインがあるかもしれませんよ。どうぞご注意ください。
返品、交換には、いっさい応じられませんから。悪しからず。

はい。できあがりました。藤やん犬。
でも、これで完成ではないのよ。
一番大事な工程があるのね。

それがこれ。金属センサー！
ぬいぐるみの中に針を残すという事故が一番あってはならないことだからね。
ここで最新の注意をはらうのよ。

おぉ。奥から藤村さんがベルトコンベアーに乗って流れて来ますよ。

すごい！それを、おばちゃんが、敏捷な動きでつかみに行った！

そして、これを丁寧にセンサーでチェック確認して、

なおも確認して…

おおっ！ものすごい手ばやさで藤村さんを放り出したぞ！
そのためらいの無さに一瞬みんなびっくりしたが、
仕事はスピードが基本だ！
針がないことさえ入念にチェックしさえすれば、あとは多少、遠慮なんかなくても文句は言えないぞ。

ねぇ、こうやってつかんで…

丁寧に慎重にチェックして…

また、ものすごい遠慮のない放り投げようだ！
しかしコントロールは正確！さすがの職人技だ！

藤「ねぇ。オレの首根っこ押えるよねぇ、このおばちゃん…」

藤「そして、ずいぶん丁寧に調べて…」

藤「放り投げたねぇ…。オレの前で、この放り投げよう、
いさぎいいよね～。多少の躊躇もない送り出しだもん。さすがプロ…」

「まぁまぁ、ご本人もおられるので、もう少し
やさしく、そんなに投げ飛ばさずに…。」
中国の責任者が、見かねて、おばちゃんの職人技に多少の抑制をかけてきた。
でも、藤村さんはたいして気にしちゃいない。

さぁ、それではラベルを貼って。袋に入れます。

おっと。ここでまだ工程が残っていた。

ほっぺたの赤いやつを…

いやいや、これは手ぬりなのね！さすが中国！人海戦術！
これが手作業なんて！

はい。こうして一体一体…。

ビニール袋に入れられて…。

できあがっていきます。

袋に貼るラベルも手貼りです！さすが中国！

はい！めでたく出来上がりました！藤やん犬！

似てます！あなたそっくりです藤村さん！

それでは、6月18日、水曜どうでしょうDVDの
受け渡し会場である全国のローソンさん店頭でお会いしましょう！
藤「わたしが待っております」